第426回
■acoさんからのQ(質問):日本は中国の友好国ですか?

邱永漢先生 はじめまして。
いつも質問への厳しいご回答を期待して拝見させていただいています。

夏休みに私的な旅行で上海に行きました。
迂闊にも初日に路上盗難に遭い、
帰国費用以外一文無しになってしまいましたが、
幸運にもその場その場で親切な方に遭遇し、
お金が無くても(!) 4日間本当に楽しい旅になりました。
上海人寛大!

折しも業務で中国関連の調査に没頭している毎日で、
すっかり中国好きを自認するようになりました。

が、過日の日本軍化学兵器事故を契機とし
た反日感情が露骨になってくると、過去の例も鑑み、
この先ビジネスでの友好も悪化するのではないかと不安です。
中国が経済大国化するにつれて、
日本タタキが激しくなるのではないかと思うのです。
韓国の親友とは、互いに同じ「完全戦後世代」でも、
ある点で感情のすれ違いを感じることがあります。

今まで中国は韓国ほどではないと思い込んでいましたが、
本格的に摩擦が生じるのはこれからなのでしょうか。
若い世代が中核となって反日運動を展開しているのを見ると、
過去の戦争だけが理由ではないような気がします。
日本は欧米諸国並に、中国の友好国と成り得るでしょうか。


■QさんからのA(答え)

近隣諸国とは長い歴史上でいろいろとトラブルがありますので、
遠くの国の人に対するのと違って、
互いに厳しい気持ちを持っております。
戦争中は日本の方が力に任せて、相手を蹂躙したので
言ってみれば人の足を踏みつけたようなもので、
踏みつけた方は痛さはわかりませんけど、
踏みつけられた方はいつまでも覚えています。
その恨みが半世紀経ってもまだ残っているんです。
でも、国境の壁がどんどん壊されていきますから
お互いに行き来がうんと多くなります。
若い人は昔のことはわかりませんから、
先ず友達になることから始まって、
過去の恨みやわだかまりはだんだん薄れていくと私は見ています。

時々過去のあつれきを思い出させるような
いろいろな物事が出てまいります。
その度に「またか」ということになるんですけども、
江戸時代の終わりに、
官軍に回った方と幕府に回った方との間には恨みが一杯あったけど、
今ごろそんなことをいう人は居ません。
ですからもう少々時間が経ったら
それと同じようになっていくのではないでしょうか。
私は近隣諸国とのつきあいは
楽観的に考えた方がいいと思っております。


←前回記事へ 2003年10月30日(木) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ