■QさんからのA(答え)
文章を書くという仕事はソフトの商売のひとつだと思います。
レコードでも、本を書く仕事でも、あるいは絵を描く仕事でも、
形にはなっていますけども、頭を使った分は勘定しないとして、
用紙やペンやインキだけを考えれば、
かかるコストの少ないショウバイです。
その割には社会的な待遇も成功した場合の収入も悪くありませんので、
文章を書く仕事をやりたいと願う人は
私が見ていると日本の国で大体10万人ぐらいはいると思います。
しかし、原稿を書いてそれだけでメシが喰える人ということになると
大体100人くらいでしょう。
1000人に1人の確率ですからなかなか難しいものです。
それでもやりたいと思う人はたくさんいるわけですから
やるなとは言えません。
でも成功しない確立の方がうんと高いです。
無駄な努力で終ることの方が多いと思います。
それでもどうしてもやりたい人は、
例えば新聞や雑誌で懸賞募集のような形で
やっているものがたくさんあります。
実力を試したかったら自分の本職で飯を食いながら
ちょっとちょっかいを出してみてはどうでしょうか。
私はたまたまそれをやったら一番初めに書いた小説が
900編の中の最後の5編に残るという好運にめぐまれたので
とうとうそれを本職にしてしまっいました。
でももしその好運に恵まれないようだったら、
やっぱり自分はあまり才能がないんだと思って
早くあきらめた方が身のためです。
運不運というものももちろんありますけど、
何と言っても人に認められるだけの才能がなければ
やっていけない仕事ですから、
その代わり、やりたいと思ったときは
全力投球で必死になってやって見ることです。
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