■QさんからのA(答え)
日本では高度成長の始まったばかりの頃、
銀行は不動産を買ったりビルを建てたりするためのお金を
貸してくれませんでした。
何にお金を貸したかというと、
工場を建てて生産を増やすのにお金を貸しました。
ですから本当は不動産屋土地を買う目的でも
工場を建てると言って銀行に融資の申込みをしたものです。
実際に工場の建設もしていますから
借りてきたお金を何に使ったか銀行にはわかりません。
私が鉄筋コンクリートじゃなくて
借金コンクリートですねといったのは
借金でビルを建てる人が多かったからです。
会社が借金をして得をしているのを見て、
私はサラリーマンにも自分の家を建てるのに
借金することをすすめました。
100万円貯まったら家が建てられると思って
せっせと貯金に励んで実際に100万円貯めたら
その頃には300万円ないと家が建たないということが
しばしば起りました。
家が建たないで腹だけ立つということが起ったんです。
ですからその頃は借金をしろとしきりにすすめました。
いまはちょうどその逆で借金をした人ほど酷い目にあっていますから、
いまはなるべく借金をするなとすすめています。
中国の場合はまだ30年前の日本の時点を走っている段階ですから、
借金をして家を買っても大丈夫です。
でも不動産の相場は猫の目のように変わりますから、
外国で稼いだお金を持ってきて不動産の開発をしている
華僑の人たちはかなり被害を蒙っています。
お金が続かなくて野ざらしになっている建物も
結構たくさんあって、別の人がそれを買って
後を続けるというのがいまの北京や上海の実情です。
ですから北京や上海へ行って大きなビルを建てたりするのは
難しいから止めておいたほうがいいと私は言っています。
でも個人が自分の住む所や
人に貸すビルやマンションの一室を
買うことに反対ではありません。
大抵の人はビルを建てる時の不動産の相場を参考にして
建てるか建てないかというのを決めます。
でも出来上がった時の建物の値段がいくらになるかは
まるで見当がつきません。
できあがってから資金繰りのために
投げ売りをする場面もしばしば見かけます。
ということは人が投げた物件を買うことができれば
得をするということは珍しくありません。
日本の過去の成長期を頭に浮かべて
中国の不動産に投資すると失敗する可能性なしとしません。
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