■QさんからのA(答え)
香港にお住まいで香港の将来について心配されているようですけど、
私は十何年前に、香港が中国に返還されても、
香港が中国の中に埋没しているのではなく
中国大陸の香港化が起こるから香港は駄目にならないと言って、
自分の家も香港に買いました。
その頃、香港の不動産は3倍にも5倍にも値上がりがしましたが、
いまは元のもくあみになってしまいました。
うちの香港オフィスは、
一頃は1平米が1ヵ月40香港ドルの家賃で貸せたのですが、
いまはたったの13香港ドルです。
香港の特徴は不動産の値段が3分の1に下がると、
家賃も3分の1に下がります。ついでに給料も下がってしまうんです。
下がらないのは役人の給料だけです。
香港はいま不安に包まれています。
失業者も増える一方だし、政府の財政も大赤字です。
かつて香港が栄えた理由は、
ひとつは中国投資をする場合の基地になっていたということです。
もう一つは広東省などで作られたものを外国へ輸出するときの
いわば「窓口」になっていたということなんです。
これは香港が自由港で
なおかつ税率が安いということとかかわりがあります。
でも、経済の中心地は上海に移りつつありますし、
財政赤字をカバーするためにいままでの税金ではまかないきれずに、
もしかすると、所得税はいま一律15%を20%に、
法人税は17%ですけど、それ以上に直すことが起るかも知れません。
そうなると香港のメリットは一挙に失われてしまいます。
また最近では香港を経由せずに、
中国本土から直接外国へ物を送り出す形に変わりつつあります。
港としての香港の役割も窓口としての香港の役割も、
だんだん減るという方向に動いています。
私自身、香港に住みあきたということもありますが、
秋口から上海に居を移す予定です。
オフィスは残しますが、香港にきた時はホテル住まいになります。
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