第315回
■IさんからのQ(質問):中国の未来

邱先生へ、中国の未来のあり方についてご質問があります。
現在の目覚しい経済発展が進むと、
発展著しい沿岸部と、そうでない内陸部との間に
深刻な経済格差が生まれ、
魏 呉 蜀三国誌の時代ように地域的独立ということは
有り得るのでしょうか、

たとえば広州圏、北京圏などのようにです。
ある面で、もっとも拝金主義になってしまった
中国の未来に少々心配しております。


■QさんからのA(答え)

中国は広大なところですから、三国志の三国だけではなく、
何十という国に分かれてお互いに相争った歴史があります。
今日でも地方と中国の利害関係は、必ずしも一致しておりませんので、
いつかバラバラになるんじゃないかという見方もあります。
確かにそれぞれの地方の利害が一致しないところがありますので、
遠心力が働いてバラバラになっていくという傾向もありますけど、
同時に、協力をしないと大きな力にならないので、
中央政府を中心として求心力が働くということもあります。
オリンピックなどになると、台湾や香港でも
お互いの利害が違うのに、中国の選手を応援しているのを見ると、
求心力が働いているのがよく分かると思います。

そういうような意味では、バラバラになるというよりは、
ちょうどグレート・ブリテンの中のスコットランドのように
地方の利害関係をうまく代表したシステムと、
全体を束ねるようなシステムとを
うまく組み合わせた形の政府になっていくと
考えた方がよろしいんじゃないかと思います。


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