第311回
■kaiさんからのQ(質問):為替について

以前、中国株について
質問をさせていただきましたKaiと申します。
先生の卓越したお答えを頂きまして大変感謝しております。
自分の視野の狭さに呆れる思いが致しました。

さて、最近「外国為替保証金取引」が
脚光を浴びてきたと思います。
各証券会社での口座開設も増えてきたように思いますし、
広告等でも目に付くようになりました。

先生の著作の中や雑誌の対談記事などでも
(故是川銀蔵氏との対談は
大変興味深く読ませていただきました。)
為替についての話題が必ずあったと記憶しております。
人や物が国を超えて、
今まで以上に自由に行き来するようになれば、
価値の等価交換方法としての為替は
とても重要になってくると思います。

基軸通貨としてのドルの立場は揺るがないと思いますが、
最近のユーロに対する各国の対応
(中東諸国の石油輸出代金の決済をユーロにする等)を見ると
潮の流れが少しずつ変化しているように見受けられます。

そこで先生のご意見をお聞かせ頂きたいのですが、
先生は投資の対象としての為替取引について
どのようにお考えでしょうか?
またこれからの各国の為替の動向について
どのようにお考えでしょうか?
ご指導のほどよろしくお願いします。


■QさんからのA(答え)

前にも為替の話をしたことがありますけど、
ヨーロッパみたいにユーロで統一すれば、
少なくともその領域内での為替の問題は片がつきますけれども、
例えばスイスに入ったとたんに、
スイスフランに変えなきゃいけなくなります。
またイギリスではポンドに変えなきゃいけなくなるということも
起こります。狭いヨーロッパ内でもまだそんなことがあるんです。

私たちが旅行をしてお金を使う場合、
たいした金額じゃないから構わないんですけど、
「お得な海外旅行はこうやって」に出てくるように、
タイに行くのに、ドサッとお金を替える人がいたりするんです。
フィリピンとかタイに行くときは、
ドルを持っていかなくても日本円が強いから、
円で間に合ってしまいます。
今だったらたいていの買い物はカードでしますから
1番安い方法に比べれば少し高いかもしれませんが、
あまり手間はかかりません。

それに比べると商売をする時は大へんです。
外国と商売をする時は、為替をどの値段でいつ替えるかが大問題です。
お金をもらうまでに時間があって、
うまい具合に円安になれば、
同じドルでもたくさんの円になるわけですから、
内心、円安になれなれと祈りたくなります。
でも大抵はうまくいかないことが多いんです。
ですから私は、為替で当てようなんて思うなと
貿易に従事しているうちの会社の者にはいつも言っています。
予想がうまくあたるより、運不運に左右されることが多いのです。
ですから為替でバクチをやることは
きつく自分と自分の関係会社には戒めています。


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