■QさんからのA(答え)
イラクにアメリカが睨みをきかせて、
いつ戦争になるかという状態のところまで来ていますが、
大抵の人はアメリカは
イラクの石油が欲しいのだろうと考えるようです。
そういう議論も結構、
新聞雑誌を見ているとたくさん載っていますが、
私はそれはあまり正確な見方ではないと思います。
アメリカ人が使っている石油の中で、
中近東から行っているものは2%もないんです。
サウジアラビアとか中近東の石油を買っているのは、
日本が一番多いんですね。
ですから、日本人にはわかりやすいかも知れませんが、
もう少し違った解釈が必要でしょうね。
但し、石油というのはいまや国際商品で、
アメリカの政府にも自由にならない相場が立つので、
誰の力によっても決められるものではなくなっています。
アメリカは中東にものすごく発言権があって、
勢力があるように見えるかもしれませんけども、
この30年ぐらいの間に
大半の産油国は油田を国有化してしまって
石油のメジャーを全部追い出してしまっています。
お金さえあれば誰でも買える商品に変わったことが
世界の経済を変えたんです。
例えば石油の値段がこれで倍になるよ、と言われたら、
日本で石油の値段が倍になると思うかもしれませんけど、
石油の値段が倍になっても
ガソリンのコストの100円が10円あがるだけで、
大半が消費税なんです。
そういうことを知らないから、
みんな石油が狙いだろうと思うんですけど、
本当は中近東に対するアメリカのものの考え方も
一筋縄で行かない所があるし、
矛盾しているところもたくさんあるんです。
これだけ余計に払うと言えば、
ヨーロッパに向かっていた船がみんな一せいに
反対側に来るという構造になっているんですから、
お金さえあれば日本が困ることはありません。
こういう事情を知らないと判断を誤ってしまいます。
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