第197回
■りんりんさんからのQ(質問):中国でのサービス業

邱永漢先生

以前、もしもしQさんのページで、
日本人とサービス業に関するテーマでの
お話があったとおもいます。

私が勤める会社(ソフトウェア)では、
中国に進出する日本企業向けに財務や物流などの
システム導入を支援するサービスを提供しています。
中国に関係する仕事をしたいという長年の希望がかなって、
最近やっと担当部門に所属できたのですが、
どうも、実際に現地の日本企業に対して
サービスを提供するのは日本人でなければ無理だ、
という風潮があるようです。

現地でアメリカの大学を出たり、日本語がかなり達者なSEでも、
日本人を駐在さるよりは安い人件費ですむのですが、
技術力だけでなく、納期を守るとか、
文書化やプロジェクトの最後まで責任をもって行う
(途中でいい条件の会社に移ったりしない)といった
サービスレベルの高さは、
日本人でないと無理だと決め付けられているようです。

私自身は実際に中国での現場を見たわけではないのですが
(今後機会はいくらでもでてきますが)、
現地の人材、すなわち中国人を教育して
日本人なみのサービスを提供できるようにするというのは、
それほどに難しいものなのでしょうか。

個人的には、日本にいても海外にいても
日本人どうしでしか仕事しない(できない?)ともとれる
この状況がとても不思議ですし、
私としては日本式の教育や制度がダメなら、
なんとか中国人の性格をうまく活かせるようなやり方を
考えたいと思っています。

もしかしたら、人材育成などと
悠長なことを言っている余裕がないのかもしれませんが。


■QさんからのA(答え)

外国にいる日本企業に、
いろいろなサービスをする仕事をされていて、
日本企業相手には日本人でないとダメというのは
おかしいと感じておられるようですけど、
自分がその土地に行って実際にやってみればわかりますが、
日本人でないと信用できないという面は強いんです。
土地の風俗習慣が違うと心配になって
夜も眠られなくなってしまうんですね。

現に私たちが上海にいる日本企業に
何か売り込みに行く場合でも、
中国人を使ったんでは十中九はダメです。
まず日本人が行って話を決めて、
アフターケアを中国人がやるというのであれば
なんとかなると思います。
不思議に思うかもしれませんけど、
いまあなたが不思議に思うのは
現地の事情も知らないからだと思うんです。
ですからまず現地で実際に経験してみて、
それから次にどういう具合にやればいいかを
決めるのがよろしいと思います。


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