第93回
■とのさんからのQ(質問)

邱永漢 先生へ

毎日サイト上のコメントをチェックし勉強させていただいております。
また、来月の中国視察に参加する際にはお世話になります。

産業機械用機器、材料を日本国内で販売する商売をしております。
最近、半導体関連の国内装置メーカーであるお客様が
規模の大小にかかわらず、台湾・中国をターゲットに
積極的な商売を展開されており、非常に元気があります。
反面、日本国内向けの需要が極端に減っているため
海外展開されていないメーカー様は苦戦されております。
こうした日本国内に生産拠点を持ち
中国向け装置を製作されている装置メーカー様は、
いずれ中国に生産、営業、メンテナンス拠点を
移していかれるのではないかと思っております。

そこで先生におうかがいしたいのですが、
中国の半導体関連業界はどこまで拡大されていくとお考えでしょうか?
また、日本での半導体産業に
新たな展開が起きることは考えにくいでしょうか?

堅い話題で恐縮ですが、よろしくお願いいたします。


■QさんからのA(答え)

旅行にご一緒されるという話ですけども、
おやりになってる仕事が半導体と関係があると、
どうしても自国の状態はどうなるかということに一番目が行くと思います。

日本は中国より経済の発展が少し早かったので、
パソコンを始めとして、半導体関係の導入も当然早く、
大きい電気メーカーがパーツの類をつくって、
アメリカに輸出して貿易摩擦を起すようあこともありました。
でも、最近では中国がその道を歩むようになったし、
アメリカのメーカーの進出もありますが、
一番多いのは何と言っても台湾からの進出です。

台湾の人は早くからアメリカに留学し、
殆どの人がパソコンや半導体の勉強をしたので、
台湾に帰ってからコンピュータのパーツ・メーカーをはじめたら、
あッという間に台湾がシリコンアイランドになってしまいました。
それでも賃上げがどんどん進んでコスト高になると、
コスト高が我慢できなくなり、生産業の大半が中国に移っています。
と同時に、中国自身もパソコンの普及が物凄い勢いで進んでおります。
例えば、おそらく数で言えば携帯電話だけでも
日本なんかをとっくに追い越してしまっています。
中国は人口が多いですから当然のことなんですけども、
そんな意味でこれから中国は
今までのオールド・エコノミーが開発されるのと並行して、
先端産業のところも進むと考えた方がいいと思います。

よくコンピュータは英語圏から始まったから
英語が分からんと不利だと言いますけど、
私は人口が決定すると見ております。
13億人の人がコンピュータをいじくるようになったら、
2億人で使ってるよりもずっとコンピュータが発展するはずであります。
そんな意味では、今まだスタートの時点にありますけども、
中国のコンピュータ産業は物凄い勢いで発展すると見ております。


←前回記事へ 2002年12月1日(日) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ