第66回 ■SYさんからのQ(質問)
いつも拝見させていただいています。 ぜひアドバイスをいただきたいことがあります。
ここ1年の間に日本でもREIT(不動産投資信託)が上場されています。 ほとんど利息のつかない定期預金に比べて、 平均5%程度の安定した利回りを確保している割には、 まだ日本では関心が薄いように感じます。
私は以前、直接賃貸マンションを1棟購入して 運用しようと考えておりましたが、 満室でもすべての経費を除くと5〜6%程度しかならない計算でした。 あらゆるリスクファクターを考えると、 これからの時代は固定資産を所有するよりも、 REITのような流動資産として不動産を考えていったほうが良いのでは、 と思っているのですが、 Qさんのお考えはどうでしょうか?
■QさんからのA(答え)
不動産信託というのは、不動産が具合が悪くなり始めてから その商売をやっている人たちが皆ずっと考えてきて 何とかしてそれを法制化してくれないかということで 運動してきた案件の一つであります。 最近やっとそれが認められて、 みんなのお金を集めて定期収入のあるような不動産を買って 1年に何%配当するというのが具体化しております。
元々そういうことが起る背景の中には、 不動産のピンチというのがあるんですね。 ですから、不動産の値上がりはなかなか見込めないし、 貸している物件だって大手の借家人が出て行ってしまったら 収入もくるってしまうことが考えられます。 したがって、投信なら平均化しているから大丈夫と お考えになるかもしれませんけど、 それは株の投信が株の上げ下げを平均化しているのと同じです。 それでもあの通り大下がりに下がっているのですから、 あまり信用するのも考えものです。 定期預金にしてただ同然の利息をもらうよりは いくらかマシだという時代ですから、 持っているお金の一部を不動産投信に投資されることには 反対ではありませんけど、 財産のごく一部をそういう具合にする程度で よろしいのではないかと思います。