■ QさんからのA(答え)
中国で錠前屋さんが商売になるかというご質問ですけど、
多分ならないでしょう。
どうしてかと言うと、元々中国人は鍵のかかる家に住んでいるんです。
昔、日本家屋というのは鍵がなかったんです。
それがマンションに変わったところで
一軒一軒みんな錠前を必要とするようになりました。
また同じ家の中でも自分の部屋に鍵をかけるというのがはじまって、
まだ半世紀は経っていないと思うんです。
ですから、私は高度成長のはじまる頃に
「この次は錠前屋さんの時代ですね」と言ったことがあります。
例えばホテルをつくったりワンルーム・マンションをつくったりというのが
ドンドン進むようになってからは、
その専門の鍵だけをつくる会社が成り立っています。
しかし、鍵が全体の建物に占めるパーセンテージは少いですから、
これは多くの人のできる商売ではございません。
それも極めて精密なことを要求されます。
例えば今のホテルを見てもわかるように、
みんなコンピュータ制御になっています。
そういうところに割り込む可能性はあまりありません。
日本でやるなら別ですけども、
何千年の歴史を持っているところに行って
新しい錠前屋はできないでしょうね。
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