第7回
■ YさんからのQ(質問)

邱先生はじめまして。私はシドニーに住む38歳の日本人です。
戸田先生にはかないませんが、私も20年来の邱先生のファンで、
先生の著書を100冊くらいは読んでいるのではないかと思います。
はじめてのメールで大変あつかましいのですが、ご相談があります。
なるべく手短にまとめますので、是非ご助言いただければ幸いです。

私は、大学卒業後就職した貿易商社(中国貿易担当)を経て、
英系資産運用会社、英系コンサルティング会社で働いてまいりました。
子供にかなり重い障害があったため、仕事に全力投入せざるを得ない
出張ずくめの生活が負担になっていたことと、私自身、
日本社会の先行き(経済、労働慣習、教育、福祉、住環境等)に
半ば愛想をつかしていたことが動因となり、
3年半ほど前、オーストラリアの技術者永住ビザを申請したところ、
四ヶ月ほどで認可が下り、即決断してオーストラリアに移住しました。

オーストラリア移住後も1年半ほどは
先述のコンサルティング会社のシドニーオフィスで働いておりましたが、
思うところあってきっぱりと辞職し、
現在、自立の道を求めて暗中模索しております。
ご相談したいのは、私の今の環境で、
つまり、シドニーに拠点を置いたままで
何か中国(大陸・香港・台湾・シンガポール)とのビジネスが
できないだろうか、ということです。
というのが、私の娘の障害のため、
どうしても長期間家を空けることができないからです。
それさえなければ、すぐにでも中国に飛んでいくことに
何のためらいもないのですが・・・。

ちなみに、私の大学での専攻は中国哲学で、
商社時代には会社派遣で北京外語学院に1年間語学留学しました。
帰国後も中国人・公司との折衝が仕事でしたし、
更に、私の妻は上海出身ですので、中国語のみならず、
中国文化に対する理解、中国に対する思い入れでも、
平均的日本人をはるかに凌駕していると思っております。
英語はほぼ全く不自由がありません。

大変にぶっきらぼうな、
礼を欠く文章になってしまった危惧がありますが、
ひとえに私の未熟ゆえですので、ご容赦ください。
敬愛する先生から一言でも助言をいただければ、
これにまさる喜びはありません





■ QさんからのA(答え)

Yさんへ

シドニーにお住みになって、何とか中国系の国々と
ビジネスができないかとお考えのようですけど、
オーストラリアには、実は香港系の人や台湾系の人もたくさんおります。
そういう人たちが当然やっている仕事もあるわけですから、
同じことをやったのでは、むずかしいでしょうね。
ことに、娘さんのことがあって、
オーストラリアから離れられないということであれば、
最終的には、オーストラリアでやれる商売というのを
考えるべきでしょうね。

前に私が言ったことですけど、
オーストラリアには日本の人が10万人も1年間に旅行に行きます。
そういう人たちが帰るときにお土産を買って帰ろうと思うんだけど、
ゴワゴワの羊毛のセーターだとか、
一ペン手を通したら二度とは通さないんじゃないかというような
ファッションを無視した製品しか売ってないんですね。
簡単に言うと、日本人が買って帰りたいと思うものは、
オーストラリアのその土地の人ではわからん、
ということじゃないかと思うんです。

だから、そういうところに目をつけて、そして、
お土産屋さんの前をずーとそのまま素通りしてしまう日本人を
キャッチする方法があれば、そのほうが、
中国のビジネスをやるよりはずっと商売になるんじゃないんでしょうかね。
そういう目でもう一度見なおすと、やる仕事があるんじゃないですかね。





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