死ぬまで現役

老人を”初体験”する為の心構え




第101回
私の理想の生き方、死に方 その2

しかし、仕事とは別に、
ただただ美味を求めて旅行をすることも多い。
旅先で一人で食事をするくらい味気ないことはないから、
そういう時は家族連れ立って出かけるか、
友達と誘い合わせるか、でなければ、
自分の部下を連れて行く。

また自分の家に人を招んで楽しく談笑をしながら、
食事をすることも多い。
パーティに招ばれて立食で食事をするのは
何とも気がすすまないことであるが、
久しぶりに友達と会い、半分は愚痴まじりで、思い出話にふけったり、
未来について夢を語るのは、張り合いのあることである。

年をとるにつれて次第に遠出をするのが億劫になっても、
友達と顔を合わせ、食事をするのだけは億劫がってはいけない。
食事を楽しむためには、
どうしても気のおけない仲間が必要なのである。

そして、ある日、この世に別れを告げる時が来る。
長い病気のあと、病床についてさんざ苦しんだあとに
死ぬことは誰も望まないだろう。
しかし、望まないことに出食わすことはしばしば起こる。
その時はまたその時のこととして、
自分の老年になってからのライフ・スタイルを、
老年にさしかかる前にあるていどきめておく必要はある。
醜い年のとり方と、醜い死に方はぜひとも避けたいものである。

しかし平均寿命が延びたおかげで、
予定以上に生きるのが当たり前になってきた。
若くして死なない限り、誰でも年をとる。
誰にとっても年をとることははじめての経験であり、
しかも一回きりの経験だから、これこそ未知の世界であろう。
どんな生き方をしたらよいか、
他人に教えてもらってもどうにもならないことであるから、
結局は自分で手さぐりで生きる方法を見つけていくよりほかない。

私がこれまで書いてきたことも、
同じ立場にいる人々のための道案内であるというよりは、
自分自身にいいきかせることである。
したがってこれが私の老人社会を生きる手引書の定番というわけではない。
まだ未経験のことが多いし、新しい経験をするたびに、
心境が変わることも考えられる。
しかし、「死ぬまで現役」というのが今のところ、
私のライフ・スタイルだとすれば、
以上述べたことはそのためにつくられた注意書のようなものであろう。
一言でいえば、「好きなように生きて、死ぬ時は一気に」
というのが私の理想の生き方である。
どうかその通りに事が運びますように。





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2015年7月15日(水)

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