“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第711回
久々の松阪「一升びん」でホルモンを堪能

三重大学を訪問したあとに、お昼を松阪まで食べに行った。
和田金という選択肢も一瞬浮かんだが、
ホルモンが食べたくて「一升びん」を再訪することにした。
その旨さと驚くべく安さは、以前一度行って確認してある。

松阪駅に到着したのが午後2時少し前。
「一升びん」は松阪市内にあるが、そのうち本店へ出向く。
広い店内には、お客が三組ほど入っていたが、ガラガラ状態。
まずは、ビールの大ジョッキを注文。
これは本当に大きく、1リッターくらい入っていそうだった。
焼肉はホルモン、コリコリ、焼きセンマイとまず注文。
キムチも頼んで内蔵類を七輪で焼き始める。
コリコリは大動脈だが、
これが淡白だが、その名前のとおりコリっとした食感が極上。
センマイは焼いたばかりの熱々にしたものを噛むと
プリっとした食感で、甘みが出てくる。
ビールにとてもよく合う。
ホルモンは、腸やレバーなど、色々な部位が混ざっていて、
こちらも旨い。

そうしているうちに、ご飯が食べたくなり、
味噌汁と一緒に注文。
ハラミを追加してもらう。
ハラミは適度な脂の乗りで、ご飯に乗せて食べると美味。
味噌汁も出汁の味わいがとてもいい。
これらを完食したら、
二食分いただいたようなくらい、お腹がいっぱいになった。
帰りがけにご主人から感想を聴かれたので、
しばし懇談する。
内蔵類は松阪牛だけでは賄えないので、
他の和牛のものと混ぜてあるという。
しかし、その松阪牛を名乗れないものも、
松阪で育成して、
そのスペックとして松阪牛の要件を満たさないもの。

店を後にして、しばし、松阪市内を散歩して腹ごなしをする。
二十分くらい歩いてから、
コーヒーが飲みたいと思ったいたところに、
まさにコーヒー専門店が目に入った。
「コロンビア」という店。
店内に入ると、高齢のマスターから
「4時で店を閉める」と言われた。
それで結構ですと席につく。
奥さんが注文をとりにきて、
ブルーマウンテンのいいものが入っていると勧められたので、
そちらをお願いする。
コーヒーはサイフォン式。
マスターがコーヒーを入れるときには、真剣な目になる。
奥さんに聴いたところ、
創業60年以上でマスターの年齢は87歳という。
でてきたコーヒーはまさに極上の味がした。


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2007年6月11日(月)

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