“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第595回
両国「ポパイ」はビール好きの天国

ポパイでは、酒肴もビールに合うものが揃っている。
生ハム、ソーセージ盛り合わせ、生牡蠣、鶏、サラダなど
いろいろな料理をあわせながらビールを飲んだ。

最初に飲んだ比較的軽めのビールのなかでは、
飛騨高山麦酒ヴァイツェンは甘みのなかに
ホップのほのかな苦味が感じられて、爽やか。
そして、同じヴァイツェンでも
富士桜高原ヴァイツェンはふくよかな柔らかさを感じる。
伊勢角屋麦酒ベンジャンスタイルホワイトエールは、
コリアンダーの香りが爽やか。
もっとも印象的なビールは、
ベアードビールの帝国IPAに博石館のバーレイワイン、
ブラウンエールの3種類。
ベアードビールの帝国IPAはホップの苦味がしっかりとしていて、
しゃきっとした味わい。
博石館のバーレイワインは甘みと酸味が心地よく、
ブラウンエールは全体のバランスが素晴らしかった。
いずれも、熟成の旨みを感じたが、
その深みはシェリーのオロロソを思い起こすような味わいだった。

博石館のハリケーンも旨かったが、
吟醸酒でたまにあるような
セメダイン臭が僅かに感じられるのが、少し印象を悪くした。
ビールも香りがいろいろとバリエーションがあるのが面白い。
店主お勧めとメニューに書いてある、
アメリカのローグエールはいずれも深いコクがあって、
旨みがいっぱい。
ブルタルビターは余韻が長く、まろやかな苦味が心地いい。

その他のビールもいずれも個性があって、
これだけたくさんのビールを飲み比べても、
決して飲み飽きしない。
アサヒ、キリン、サッポロ、
サントリーしか飲まないビール好きは、
人生を損しているのではないかと思えるほど面白かった。
両国「ポパイ」を初めて訪問したが、
噂にたがわない品揃えにびっくりした。
これだけの生をいい状態に管理するのは、
本当に大変。
ビールを熟知して、
それを少しでも旨くお客に出そうという青木さんの姿勢には
感嘆し、「ポパイ」のすっかりファンになってしまった。


←前回記事へ

2006年12月8日(金)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ