“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第539回
久しぶりに「バードランド」で極上の焼き鳥

バードランドに最初に訪問したのは、いまから10年近く前。
まだ阿佐ヶ谷にあって、それほど混んではいない頃だ。

バードランドは神亀のラインナップが
ほとんど全部そろっているということで、
地酒小売店の甲州屋の店員たちと訪問した。
その頃には、神亀だけでなく、
剣菱、白鶴の古酒などもおいてあり、
店主の和田さんは日本酒をよく分かっている
と驚いた覚えがある。

バードランドも銀座に移って数年たつ。
一時は、当日の昼からでないと予約を受け付けず、
その時間になると電話が殺到して、
15分もすれば満席になっていて、
もっとも予約がとりにくい焼き鳥として有名にもなった。
最近では、席の何割かは1週間前から予約を受け付けるので、
席が取りやすくなった。
そんなある日に訪問。

まずは、鶏皮の三杯酢。
酸のある日本酒と合わせるが、
お互いの酸が口のなかで旨く調和する。
チリチリした食感もとても心地いい。
最初の食欲を呼び起こすためには、いい選択だった。

次が砂肝の刺身。
綺麗な赤い切り口がつるつると光っていて、
新鮮そのものに見える。
口にいれると、プリッ、シャキッとした食感。
そして噛むと砂肝独特の芳醇な旨みが口のなかに広がってくる。
さらに、軍鶏刺し。
胸肉は上品で繊細。
噛むと肉が歯と舌に絡みつくように、答えてくれて、
旨みが広がる。
腿肉はムッチリとした食感。
しかも芳醇な味わい。
燗酒がさらに進む。

定番のレバパテが提供される。
かりかりに焼いたパンの表面にナイフで伸ばし、
一緒にかじりつく。
数種類のハーブが奥久慈軍鶏の綺麗な味わいのレバパテに
アクセントをつけている。
やはり、バードランドのレバパテは最高。
この綺麗な味わいは、
奥久慈軍鶏が広々とした農場で十分運動をしながら、
健康に育っている証拠だ。
生臭さがいっさいなく、
レバーが嫌い、苦手といっていた友人が、
何人ここのレバパテを好きになったことか。

これで、アラカルトは全て食べ終わった。
あとは、焼き鳥に親子丼が待っている。


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2006年9月21日(木)

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