第428回
純米酒フェスティバル2006年春
純米酒フェスティバルは
前回の「2005年秋」の会には、
拙書のサイン即売の話が運営している
フルネットの中野社長からあり、初めて訪問した。
本を売れて、しかも美味しい日本酒も飲めると、
ねがってもないこと。
拙書を売るコーナーには行列ができて、
持ち込んだ300冊がほとんど完売。
昼の部、午後の部ともサインにかかりっきりで、
読者の皆さんとお話もできて、とてもいい会だった。
ところが、売れ行きがよかったため、
結局はほとんどの蔵の日本酒を飲むことはできなかった。
そこで、今回の「2006年春」では
一般客として参加してリベンジをはかることにした。
今回もすごい人気。
インターネットで受け付けたところ、
定員600名は昼の部は40分で、夜の部も一日で完売したそうだ。
椿山荘の5階の広いホールに到着すると、
蔵元50社がホールの四方の壁際にブースを出して
客席を囲むようになっている。
客席は53の大きな円卓で、すべて指定席。
そこにおかれた弁当を食べながら地酒を堪能できる。
50蔵がそれぞれ4〜8種類の日本酒を準備しているので、
全部の酒を利くと、そうとう酔っぱらいそうだ。
そこで、いい造りをしていることがわかっている蔵、
そして、最近評判のいい蔵を中心にまわることにした。
まずは「開運」。
知り合いがブースにいたが、今回は宅配のミスがあったらしく、
送った酒の大半が届いていないという。
急遽、酒屋から1升瓶数本を買ってもってきたらしい。
こちらは、無濾過生原酒と冷づめを利く。
あいかわらず柔らかく深みのある味わいが嬉しい。
次に岡山の「竹林」。
最近とみに評判がいい。
無濾過生原酒のかろやか瀞(とろ)とふかまり瀞をいただく。
ふかまり瀞は常温と燗を飲める。
いいバランスの甘みと酸がでている。
発泡酒である泡々酒(ほうほうしゅ)も甘みがあって面白い。
次が栃木の「天鷹」。
心の生を飲むが、相変わらす綺麗な味。
しかし、竹林のあとだと、ちょっとインパクトにかける。
それから、石川県福光屋の「加賀鳶」。
安定した味わい。
そして、最近評判の佐賀の「七田」(しちだ)。
山田錦と麗峰を65%まで磨いた純米無濾過生原酒は納得の味。
純米おりがらみも旨みたっぷり。
そのすぐ近くに、これまた最近造りがよくなったと評判の
龍神酒造「尾瀬の雪どけ」があった。
外部からきていた杜氏さんがやめてから、
自社の社員だけで造りはじめて、急に味に深みがでてきた蔵だ。
赤磐雄町、備前雄町、山田錦の
それぞれの純米無濾過生原酒を飲んだが、いずれも秀逸。
ここまできて、そうとう酔ってきて、
その後は適当に色々な蔵をまわり、愉しめた。
これで、4合瓶のお土産までついて、
5000円に消費税はとてもお得だ。 |