|  第396回日本酒と料理の相性
 最近、酒や蕎麦のセミナーを依頼されることが多い。システム工学の専門の講演もたまに頼まれてはいるが、
 その3倍くらいの頻度で、
 どちらが本業だか分からない状態になっている。
 先日は蕎麦の食文化を守りたいという理念のもとに形成されている、
 「研真会」(けんじんかい)という
 蕎麦業界の勉強会のセミナーを行った。
 会場は銀座「こびき」。
 日本酒についての話題提供を行った。
 今回のテーマを料理と日本酒の相性ということにして、実践しながら話をするスタイルで行った。
 話を延々とするよりは、
 実際に食べたり飲んだりしながらのほうが、
 分かりやすいし、愉しい。
 銀座「こびき」とは事前に打ち合わせを行い、
 今回の紹介する日本酒を決めておいた。
 ・ 宗玄 純米無濾過生原酒 山田錦55%・ 宗玄 純米無濾過生原酒 八反錦55%
 ・ 秋鹿 山廃純米無濾過生原酒 山田錦70%
 ・ 諏訪泉 純米 1997年醸造古酒
 そして、これらの銘柄に合うように料理をお店に決めてもらった。
 こちらの三代目は日本酒と料理の相性の研究もしていて、
 その合わせ方はなかなかセンスがいい。
 まずは、刺身が提供される。鮪、ハタ、平貝と3種類で、どれも厳選されたもの。
 これには、宗玄の山田錦を合わせる。
 この酒は柔らみのある酸が心地よいという
 宗玄ならではの特色のなかに、
 山田錦の特長である深みのある味わいによって、
 余韻がとても長い。
 この酸が刺身の魚臭さを旨みに変えて、
 余韻の長さがその旨みを長持ちさせる。
 「刺身を口に入れてちょっと噛んだらお酒を流し込んで、一緒に味わってください」
 と合わせ方の紹介に、
 一同はこんな美味しい食べ方は知らなかったとうなずいていた。
 愉しく、美味しいセミナーはさらに続いた。
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