“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第372回
蕎麦が一番旨い時季

そのうち、読者の皆様と一緒に会食を行う企画を考えています。
暖かくなった頃に始めて、
好評であれば、継続して行きたいと思います。
美味しい料理を食べて、
美味しいお話を交わすという気楽な会にするつもりです。

人数はあまり多いと一人一人とお話ができないので、
十名くらいを想定して、企画中です。
決まり次第このコラムでご案内しようと思いますので、
その節はふるってご参加ください。

年末くらいから、あと1月くらいが蕎麦が一番旨い時季だ。
新蕎麦の頃は香りがいいが味はまだまだ。
9月終わりくらいに新蕎麦が出始めるのは北海道産で、
内地のものは10月終わりくらいからになる。
北海道産の蕎麦は香りがいいが、
味わいとなると内地の蕎麦のほうがより濃い。

さらに、蕎麦は熟成すると味わいがよくなってくる。
蕎麦が収穫されてから、1ヶ月くらいすると旨みが乗ってくる。
それで、香りと味のバランスとして、
年末から今の時季がベストとされているわけだ。
これが、4月くらいから蕎麦の味が落ち始める。
5月、6月とだんだんと香りがなくなり、
8月の暑い時季が最悪条件だ。
それで、蕎麦屋の評価は同じ時季で比較しないと公平ではない。
しかし、いい蕎麦屋は夏の暑い時季でも、
美味しくなるように努力はしている。

それで、美味しい蕎麦を食べようとしたら、
あと一月ちょっとくらいか。
ということで、
以前紹介した「豊かな東京湾再生検討委員会」の
食文化分科会有志の会は3月初めに蕎麦屋で開催する予定だ。

今回は栃木県の馬頭で契約栽培した蕎麦を
皆さんにご馳走しようと企画している。
この契約栽培の蕎麦は脱皮をして、
丸抜きの状態で真空パックにしてあり、
約0℃の定温高湿保管庫に保管してあるので、
3月でもベストに近い状態で提供できる。

この蕎麦を、小泉武夫先生他、
食文化に造詣の深いメンバーに食べていただいて、
感想を伺うのがとても楽しみだ。


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2006年1月31日(火)

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