|  第371回日本酒にはお茶が合う
 日本酒を飲んで翌日にすっきりと起きるためには、一緒に水を飲むことがお勧めだ。
 特に無濾過生原酒はアルコール度数が高いので、
 途中で飲む水が美味しいし、身体にとってもよい。
 無濾過生原酒はアルコール度数が高すぎて飲めない、加水した日本酒がいいという日本酒好きや酒販店の意見があるが、
 彼らは水を同時に飲むということをしていないのではと思える。
 また、無濾過生原酒を
 わざわざ水で割って燗をすることを勧める居酒屋もあるが、
 あれもどうも感心できない。
 せっかく、水とアルコール分子が
 長い時間をかけてなじんできたところへ水を入れれば、
 その水だけが浮いた感じが強くなり、私は好きではない。
 水割り燗を勧めている店もあるが、、
 マルセウ本間商店の本間さんや真菜板の杉田さんは反対意見だ。
 せっかくの純米無濾過生原酒のよさを殺すと言っていて、
 私もその意見に賛成だ。
 とにかく、同時に水をチェーサーとして飲むのが一番いいと思っている。
 ところが、水よりももっと日本酒に合う飲み物がある。
 それがお茶。
 特に、燗酒には熱いお茶がチェーサーとしてとてもよく合う。
 日本酒を飲んで、料理と合わせ、そのマリアージュを愉しむ。
 しばらく余韻が続く。
 そして、お茶を飲む。
 すると口のなかが洗われて、
 次に飲む酒がとても新鮮に思えるのだ。
 次の料理も新鮮に感じられる。
 また、燗酒には冷たい水も爽快感があっていいのだが、熱いお茶は熱いものどうしで、違和感が少ない。
 お茶というと、酒を飲み終わって、ご飯を食べて、
 そのあとで飲むことが常識となっているが、
 騙されたと思って、
 日本酒を飲みながらお茶をチェーサーとする愉しみ方を
 ぜひ試みていただきたい。
 試してみれば、実にまっとうな飲み方ということが
 お分かりいただけると思う。
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