|  第365回豊かな東京湾再生検討委員会
 今年度まで、水産庁が事務局となって、表記委員会が活動していた。
 そのなかの食文化分科会は
 東京農大の小泉武夫教授が会長をされていて、
 副会長はIWCでの日本の代表をしている鯨の専門家
 小松水産総合研究センター理事。
 そして、築地の中卸、寿司屋、天婦羅屋、江戸前割烹、
 などの代表者も名を連ねている。
 私は東京湾の魚は最近とくに興味を持っていて、このコラムでその旨を記したところ、
 読者のジャーナリストの方からこの分科会の存在を紹介された。
 そこで、水産庁の事務局にお願いして、
 途中からオブザーバーとして参加してきた。
 この分科会の活動はすでに昨年終わり、あとは、報告書にまとめるだけだが、
 小泉先生の提案で、同じメンバーで定期的に集まり、
 東京湾とか江戸前に関連した美味しいものを食べながら、
 将来の東京湾について語ろうという有志の会が発足した。
 小泉先生は東京湾を将来は世界遺産にしてもらうまで
 皆で頑張ろうと大きな抱負を語られていた。
 私ももちろんそのメンバーに加えていただいた。
 まずは、新年会が世田谷の住宅街にある一軒家の割烹で開催された。
 三宿の交差点からほど近い割烹に到着し、座敷に案内される。店の中ではなく、ご主人の自宅の和室を開放している。
 十名ちょっとのメンバーが集合して会が始まった。
 机の真ん中に二皿ほど目だっておいてあったのが
 巨大な茹でタラバガニ。
 50cmの直径はある大皿に足がはみ出して鎮座している。
 そして、その後でてきたのが、刺身の舟盛。これが、鯛、平目、海胆、伊勢海老、鮑、ブリ、など、
 まるで浦島太郎が乙姫様に接待されているかのような、豪華なもの。
 今回は築地の中卸の部長が幹事で、そちらの関係でこの店を予約したそうだが、
 この店のご主人は築地では最高のものしか取らないという。
 タラバガニの茹で加減が絶妙。
 ほどよい旨みが、塩味のなかから浸みだしてくる。
 集まったメンバーは皆魚の専門家。
 さすがに話題も魚について素人では知らないことで盛り上がる。
 タラバガニは最近はロシア側で大量発生をして、
 ロシアも生態系が崩れるといって困っているとか、
 海胆はやはり北方領土の4島でとれたものが本当に旨いとか。
 持参した秋鹿「もへじ」純米無濾過生原酒の4年常温熟成古酒を皆さんにふるまったが小泉先生も絶賛。
 お店は月桂冠しかなかったので、
 秋鹿の1升瓶がどんどんと進み、またたくうちに空いてしまった。
 そして、次回は蕎麦屋にしようという話になり、幹事は私がやることになってしまった。
 早速浅草の懇意の蕎麦屋がベストと判断して予約した。
 このメンバーに満足してもらう会のセッティングができるとは
 願ってもないこと。
 蕎麦屋のご主人と相談しながら、
 いろいろな仕掛けを組み込む予定だ。
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