第364回
料理屋の評価
このコラムで大学研究室のホームページを紹介したところ、
多数の読者の方々に閲覧していただきました。
どうもありがとうございました。
また、先日から別なサイトで
「スーパー遊び術」というブログを立ち上げました。
「遊び心」こそ創造性の原点という視点で
私の経験談を執筆していますので、
どうぞ気軽にお立ち寄りください。
さて、ホームページでは、
自分のメモ代わりにもなるということもあって、
料理屋ガイド を載せている。
特にこのコラムで紹介したお店はリンクを貼って、
こちらの過去記事に飛ぶように配慮している。
ところが、こちらのコラムで紹介していない店は、
何かしら紹介記事を書いておかないと、
閲覧者の参考にはならないので、
ごく簡単なメモ程度の紹介を入れた。
そうしても、
それらの店の良し悪しの判断がつきにくいということもあり、
いろいろ考えたすえに、
お店の評価指標を敢えて記載することにした。
お店の評価指標としては、
ガイドブックや、インターネットのコラムなどで、
色々な方式がとられている。
それらのほとんどは、規格化・標準化という観点から見ると、
基準が曖昧だ。
例えば、文芸春秋社の老舗グルメガイド本
「いい店、旨い店」は五段階評価だが、
それぞれの段階の基準の設定の説明が無い。
その統一的な基準が無いことに加えて、
複数の評価者が別の店を主観的に評価しているので、
同じ星の数でも満足度がまったく違う店が
同じジャンルであげられたりしている。
昔、山本益博さんは、
処女作「東京、味のグランプリ」で三ツ星評価法を採用し、
反響が大きかった。
よくぞ書いたと拍手する人、
いや、評価が独断すぎると批判する人など、
賛否両論で盛り上がった。
その後「グルマン」などでも評価は続けていたが、
論評記事などを見ると、
例えば蕎麦屋の良し悪しを
「本わさび」を使っているかどうか、などという、
蕎麦の本質からずれた観点で評価していて、
蕎麦通の間では失笑を買っていた。
いずれにしても、料理屋の評価を敢えて独断で行ったという点で、
業界に一石を投じたという意味では山本氏は貢献したと思う。
彼の評価は、基準の分かりやすさという観点から見ると、
星の意味が「いい店」とか「東京の誇る最高の店」とか曖昧だ。
この方式がやはり不評だったのか、
評価を明確に記述することもいつしか無くなり、
どの料理屋も誉めるだけになって、
最近では「グランプリ」が「シランプリ」に変わったようだ。
また、ロバートパーカーや
ワインスペクテイターのワインの評価や
ザガットサーベイのように、
点数で優劣をつけることはアメリカ人の国民性を表している。
このような点数、
特に100点満点の1点の差が客観的に判断できるか疑問であり、
英国のデキャンタ誌は反対意見を唱えている。
イタリーの「ガンベロロッソ」も、
国内の料理屋をやはり100点満点で評価しているが、
こちらのほうが、その点数配分と基準も明確にはしている。
それもかなり主観が入ることはいなめない。
また、ピアの「東京最高のレストラン」でも
点数評価をしているが、
こちらは別の意味で点数を読む興味がある。
というのは、それぞれ評価しているグルメライターの味覚の程度が
よく分かるからだ。
さて、私のホームページの料理やガイドだが、
最低限私自身で評価がぶれない基準にすることを配慮した。
その結果、ミシュランギイドの基準を
そのまま踏襲することにした。
三ツ星方式で、
その店にわざわざ行く価値がある店が最高の三ツ星、
遠回りをしてでも行く価値がある店が二つ星、
近くを通ったら寄るべき店が一つ星だ。
星の数の違いについては、
今後、コメントをさらに充実させて、
根拠を明確にして行きたいと考えている。
読者の皆様からご意見をいただければ幸いです。
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