“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第276回
京都ラ・ベッラ・ヴィータ

まず、アミューズの『キャベツのワイン酢漬け』。
アミューズのお品書きは料理が200円と400円という安さ。
アミューズにもきちっとお金を払ってもらうという姿勢は清い。
肝心のキャベツの味はインパクトは確かにない。
しかし、食欲を起こすには十分な旨さはあった。

次が、前菜で『温野菜と海の幸のサラダ、南瓜ソース』。
これは、海老、烏賊、貝類などに、
胡瓜、トマト、パセリ、パプリカなどの温かい野菜が和えてあり、
南瓜のソースがかかっている。
火の通しかたは絶妙で、
魚介類の旨み、野菜の甘みをよく引き出しており、
それを南瓜のソースがさらに輪郭をはっきりと出している。
素材の旨さがダイレクトに味わえる一品だった。
これに、ピエモンテの白ワインである
ロエロ・アルネス・クリスティーナ・アスケーリ2003年を合わせる。
造り手は、カンティーナ・ジャコモ・アスケーリ。
ワインの酸味がさらに野菜、魚介類の甘みと調和して快適。

次にパスタは、フレッシュトマトのスパゲッティをいただく。
トマトがとても新鮮で軽い味わい。
素材のよさが一口食べただけでわかる。
このトマトの軽やかさがスパゲッティをまた軽快に演出している。
口のなかに入れるのに何の抵抗もなく、
つるつると入っていくのだ。

最後のメインの『兎の白ワイン煮こみ』。
これは、ピエモンテの地方料理だが、
表面のソースは淡白、そして、中の肉に進むほどコクを感じる。
特に骨の際が秀逸。
最後は手でつかんでしゃぶってしまった。
これほど兎の旨みを出す腕は尋常ではない。
あわせたワインは
ビーノノービレ・ディ・モンテプルチアーノ2000年。
造り手はヴァルディピアッタ。
繊細な味わいが兎とよく合う。
ドルチェはクレームブリュレ。
最後まで美味しくいただいた。

これで、一人1万円をいくらか超える程度。
内容からみれば破格の安さだ。
店内の装飾はいたってシンプル。
白木の壁と机、椅子が、自然のぬくもりを演出している。
これで、京都を訪問するときの選択肢が増えた。


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2005年9月19日(月)

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