|  第228回太田和彦さんの「江戸前徳利盃揃え」
 居酒屋ライターの太田和彦さんは飲み友達だが、彼から「江戸前徳利盃揃え」という、
 徳利と盃のセットをいただいた。
 徳利と盃はともに白磁に紺の縞柄という
 瀟洒(しょうしゃ)ないでたち。
 徳利は細長く、口が狭い。厚みもある。
 脇に3本の縞柄周っていて、これが粋で、
 いかにも江戸の居酒屋においてありそうなデザインだ。
 盃は小さめの平たいオーソドックスな形で、
 外側と内側に1本づつの縞柄がついている。
 内側のは、底の平らな部分に利き猪口にあるような、
 紺の丸が描かれている。
 さすがに、居酒屋を愛するグラフィックデザイナーの太田さんらしいデザインだ。
 もともとは、太田和彦さんの出演するテレビ番組である
 「太田和彦のニッポン居酒屋紀行」の
 DVD発売プレミアムとして造った徳利と盃のセットで、
 好評だったことから、
 徳利と盃だけでも購入できるようにしようと
 販売を始めたものらしい。
 この徳利と盃のセットで、早速燗をつけて飲んだみた。酒は秋鹿無濾過生原酒限定品「もへじ」2005年。
 少し熱めの50℃くらいの温度にする。
 徳利から盃に実にうまく注げる。
 これは徳利の首の細さで、流れ落ちる酒の方向が定まるからだ。
 また、徳利はほどよく厚く、なかの燗酒が冷めにくい。
 太田さんは、細長く、口が狭い、そしてやや厚めの形状で、
 冷めにくく、注ぎ易い徳利を探していて、
 量産品のプロトタイプとして見つけたという。
 それに紺の縞柄でさらに粋で端正なデザインに仕上げた。
 肩から首にかけた形状は、
 まさに小股の切れ上がった江戸美人を思わせる。
 晩酌の楽しみがまた一つ増えた。この「江戸徳利盃揃え」は日常使いをして、
 飽きがこなく、毎日自宅へ直行したい気持ちにさせられる。
 太田さんに感謝。
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