|  第195回イタリアワインの会 〜その5
 最初の赤ワインはIl Carbonaione 1997 Podere Poggio Scalette。
 コンサルティングワインメーカーとして
 トスカーナのワイナリーを渡り歩いて
 いいワインを造り続けた著名なヴィットリオ・フィオーレが造る。
 フィオーレはイタリー醸造所協会理事長などの
 イタリアワイン業界の要職を歴任してきた。
 1991年に彼のワイン造りの集大成として、
 探しあてたトスカーナの高地の畑で葡萄栽培をし、
 ワインを造り始め、
 ポデーレ・ポッジオ・スカレッテ社を創業。
 最初はその最高峰がイル・カルボナイオーネで、
 標高500mの畑のサンジョーベーゼを100%使う。
 なお、スカレッテとは、小さな一歩という意味らしい。
 ボッジオ・スカレッティ社はイルカルボナイオーネ以外は全てバルク売りしていて、
 この1種だけであったが、
 最近Piantonaiaという
 カベルネソービニオンとメルローの混合したワインも作り始めた。
 2000年が最初のヴィンテージだが、
 年間生産量が1200本だけなので、入手するのはかなり難しい。
 こちらも一度は飲んでみたいものだ。
 イル・カルボナイオーネは、
 イタリーの権威あるワインガイドのガンベロロッソでは
 1996、1998、2000が
 3グラスの評価(エクセレント)となっている。
 今回のワイン会での楽しみにしていた1本だ。
 深い紫がかったルビー色の液体がグラスに注がれ、香りをまず利く。
 エレガントな果実の香りに期待が大きくなる。
 味は予想していたより自然な味だった。
 樽香は少なくカシスのような果実の味わいが
 品よく口のなかに溶け出し、
 繊細な酸味がバランスよく骨格を構成している。
 サンジョベーゼで造ったワインは、キャンティクラシコ、
 ヴィーノノービレ・モンテプルチアーノ、
 ブルネロ・モンタルチーノなどを色々飲んだことがあるが、
 これだけ自然で綺麗な味のワインは初めての体験だった。
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