第194回
イタリアワインの会　〜その４

ムール貝が出てきたところで、
ベルギービールのTrapist Westvleterenを
そろそろ飲むことになった。
このトラピストビールは少量しか造っていないので、
ベルギー国内でもあまり出回らない。
日本でも僅かにネット販売しているくらいだ。
まずは、 Bier Bond。
綺麗な黄金色をしている。
綺麗でスムースな味わいで、口のなかに何の抵抗も感じない。
しかし、インパクトにややかける。
昔ブラッセルでWestvleterenは
違う種類のものを飲んだことがあったが、
こんなにパンチが少なくはなかった。

ややがっかりして、次に Bier Extra 8 を開けてグラスに注ぐ。
こちらは褐色の濃い色で芳醇な味を期待させる。
口に入れる。
まずは、ほどよい酸味が口を刺激し、
そのあとで苦味と甘みが広がってくる。
その、味のバランスが素晴しい。
どれも強すぎずに、お互いの味を引き立てている。
これほどのバランスのよいビールはこれまでに経験していない。
ムール貝にもとてもよく合った。

ムール貝がすごく旨い。
料理した奥様は、ビールと合わせるなら、
ビール煮にすればよかったと残念がっている。
しかし、どうしてどうして、
ワイン煮とトラピストビールがとてもよく合った。
これを、普通の日本のビールを使って煮込んでも、
Westvleterenには合わないだろう。
ムール貝の独特の風味とワインの酸味、
そして、Westvleterenのバランスのとれた旨みが
とてもマッチしているのだ。

ここまでで、結構お腹はいっぱいになりつつある。
そして、ワイン、シャンパン、ビールで
酔いもいくらか回ってきている。
マンションの高層階から見る郊外の森の緑が、目にやさしく映り、
時間の流れがだんだんゆっくりとなってきたように感じさせている。

スペアリブにいよいよ、
３種類の赤ワインを合わせることになった。