|  第160回ラーメンの化学調味料添加が多いのは何故?
 ラーメンは好きだが、勇気を持って店に入る必要がある。有名店でも化学調味料を使用している店がほとんどだからだ。
 たまに、無添加の店を発見したりすると、本当に嬉しくなる。
 最初は美味しいと思っていたのが、
 だんだんと舌に残って、痺れた感じがでてくる。
 このいつまでも持続する痺れ感が、
 行かなければよかったという後悔から解放してくれない。
 最近の、ちゃんとした蕎麦屋、饂飩屋は科学調味料を使っていない店がほとんどだ。
 何故、蕎麦、饂飩ではできて、
 ラーメンではできないのだろうか?
 同じ麺でも何が違うのだろうか?
 色々と考えて見ると、まずは、客層の違いがあげられる。
 ラーメンのほうが年齢層が低い。
 最近の若者は、ファストフード、コンビニ弁当で
 化学調味料漬けになっていて、
 ラーメンに添加しても違和感を持たないのでは、
 という仮説が考えられる。
 店側としては、簡単に味付けができて、
 手間隙を省けてコストダウンも計れる、
 化学調味料添加に走るというわけだ。
 もう一つ考えられるのは、ラーメン屋での客が滞留する時間の短さだ。
 これは、蕎麦屋、饂飩屋よりもさらに短い。
 すると、ラーメンの旨さを客に印象付けるには、
 天然の出汁ではインパクトが少ない。
 時間をかけて美味しくとった出汁は、
 味わった瞬間はごくごく自然に口のなかに入るが、
 時間を経過するに従って、そのよさが口の中に残ってくる。
 僅かの時間で味わうラーメンで
 天然出汁のよさを表現しようとしても、
 その場ではすぐに評価されるほどのインパクトを与えない。
 最近、徐々に化学調味料無添加のラーメン屋も増えてきつつある。出汁をきちっととったラーメンの汁は、
 店を出てからも美味しさが持続するので、
 そのほうが店の評判を挙げるのに効果的なことに、
 ラーメン屋も気がつきだしているではないだろうか。
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