“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第158回
ドイツは白が旨い

今回の表題を見てワインの話と思われた読者が多いと思うが、
別なものについての話だ。
ドイツの食事はまずいと言われていて、
それはある程度はあたっているが、こればかりは違う。

まず、第一にあげたいのは、春の白アスパラガス。
これははずれがない。
ドイツらしく太くて長く、
これにかぶりつくと上品な甘みが溢れてくる。
フランスの白アスパラガスよりも豪快に食べられる。

次の白は、白ソーセージのヴァイスヴュルスト。
ミュンヘンの名物で、午前しか食べない習慣がある。
これは、昔冷蔵庫の無い時代には
他のソーセージに比べて痛みやすかったために、
朝に肉屋で売り出したヴァイスヴュルストを
午後まで置いておかずに
食べなければならないことから来ているそうだ。
ヴァイスヴュルストはミュンヘンに行けば
大抵のビアレストランに置いてあり、
茹でてお湯のなかに入ったまま提供される。
これを、日本人は皮ごと食べることが多いが、
正式な食べ方は皮を剥いて、中身だけを食べる。
他のソーセージに比べれば、
むちっとした密度の高い食感が面白い。
おでんや湯豆腐を食べているような感覚だが、
身体があったまる。

白アスパラガス、白ソーセージに合わせて飲みたいのが、
最後の白である、ヴァイスビア。
白ビールだ。
通常のビールは大麦から造られるが、
このビールは小麦から造られる。
それ故、ヴァイツェン(小麦)ビアとも呼ばれている。
何故、ヴァイス(白)なのかというと、
酵母を活かしておく場合が多く、
このときにはビールが白く濁っているからだ。
このビールをヴァイツェン・ヘーフェと呼ぶ。
ヘーフェとは酵母を意味する。
乳酸の甘酸っぱい味わいが特徴的なビールだ。

酵母を殺して清澄させたものは、
ヴァイツェン・クリスタルと呼ばれる。
また、ベルリンでは白ビールにレモネードを入れて
甘くして飲む。
これを、ベルリーナ・ヴァイツェンと呼ぶ。
私はベルリーナ・ヴァイツェンよりは、
ミュンヘンのヴァイツェン・ヘーフェの方が好きだ。


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2005年3月23日(水)

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