“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第156回
アメリカのビールはドイツのビールよりも旨い

ビールといえばドイツ、
ドイツといえばビールというように、
ビールはドイツの固有名詞のようになっているが、
最近のドイツの大手のビールは濾過をしすぎていて、
味が淡いものが多い。
しかし、地方の町に行けば、
かならずそこの地ビールを小さな醸造所が作っていて、
大変個性的な味を楽しむことができる。
そのような、家族経営の地ビール醸造所を
マイクロブルワリーと呼ぶ。

このマイクロブルワリーはアメリカに結構多く、
そのできはドイツを凌ぐ出色のものがある。
例えばカリフォルニア州チコの
シェラネバダ(Sierra Nevada Brewing Co.)。
これが色々なエール、ポーター、
ボック、バイツェンなどを造っていて、
いずれも風味、味わいとも個性豊かでなんとも旨い。
米国で買うととても安くて、
日本の地ビールの値段はどこからきているのだろうと、
疑心暗鬼になってしまう。

サンフランシスコのアンカースチームは、
ラガーの酵母を温度をエール並みに上げて発酵させたビールで、
ラガーとエールの両方のよさがを兼ね備えているビールだ。
発酵タンクはバスタブのような平たい形状を使い、
上面発酵と下面発酵を同時に行う。

サムエルアダムスなどは、
もう地ビールとは呼べないかも知れないが、
相変わらず個性豊かな芳醇な味を売り物にしている。
その他にも、アメリカでは各地に
優良なマイクロブルワリーが点在していて、
どこでも美味しいビールを楽しむことができる。
アメリカに行ってクワーズ、バドワイザーで満足しているのは
なんとももったいない。

また、アメリカにはマイクロブルワリーが
醸造所の一部をパブに開放している、ブルーパブが各所にある。
アメリカでその日の夕食をどこで食べるか困ったときには、
まずブルーパブが近くにないか探すことが賢明だ。
ビール造りにこだわっている醸造所は、
酒肴にもこだわっており、美味しい思いをすることは必然だ。

日本はどうかというと、
最近では那須高原ビールなどの、
とても本格的な旨い地ビールが多くなってきている。
これはとてもいいことだが、しかし、まだまだ価格が高い。
輸入ビールと同じくらいの値段をしているのが、
商品魅力を半減させている。
税金の問題はあるが、
もう少し値段を下げて提供してもらえれば、
爆発的な人気になるのは間違いない。
残念なことだ。


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2005年3月21日(月)

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