第143回
ナイアガラワイン
ナイアガラオンザレイクという町がカナダにあり、
ナイアガラワインの産地で有名だ。
これは、ナイアガラの滝からナイアガラ川を下流に降りていって、
オンタリオ湖にそそぐ河口に位置する。
ナイアガラワインといえば、
アイスワインがとても質が高いことで有名であるが、
他のワインもいいものが多い。
これまでに、三度ほどナイアガラオンザレイクは訪問し、
色々なワイナリーを回っている。
この町では、ワイナリー巡りが観光の目玉として奨励していて、
観光案内所でワイナリーの位置が記してある地図をもらえるので、
回りやすい。
それぞれのワイナリーに予約をする必要もない。
かなりあるワイナリーのなかで、
一番有名なのは1975年創業のInniskillinであろう。
2002年に訪問した時点では、4箇所に葡萄畑を持っていて、
立派なフランク・ロイド・ライトの設計した建屋のなかに
ワインブティックがあって、試飲ができる。
そのときに試飲したのは、
シャルドネ、レイトオータムリースリング、
それに、カベルネソービニヨン・メルロー・カベルネフラン混合の
メラジュ、そして、アイスワイン。
シャルドネはブルゴーニュのような骨格とはまた違う深みがある。
熟成したらよくなりそうであった。
レイトオータムリースリングは遅摘みにより、
甘みと酸味のバランスがとてもよくでている。
メラジュもバランスのいいワインだった。
ここまでは、1杯50セントで試飲ができる。
そして、肝心のアイスワインだが、
こちらは4ドルほどとられる。
こちらのアイスワインは現地で販売していない
樫樽熟成のスペックで、
熟成した甘みが口の中に押し寄せてきて圧倒された。
当時、ハーフボトルで850カナダドルといい値段であった。
そして、Inniskillinの普通のアイスワインと何が違うか
質問をしたところ、悪魔の囁きを受ける。
「Inniskillinでは
数種類のスペックのアイスワインを造っています。
実は赤のアイスワインもごく少量販売をしていて、
特に希望されたお客様にはわけています。
これは幻の赤アイスワインと呼ばれていて、
限定でほんのわずかしか生産をしていません。
現在、ごく少量だけ在庫がございます。」
そして、値段を聞いたらなんと105カナダドル!
これは、フルボトルに換算すると2万円を越す値段。
ワイン好きの友人と数分間互いに考え込んだあげく、
結局は買ってしまう。
そして、日本に帰ってから飲んだ味は天にも昇るようであった。
しかし、大手のInniskillinn以外の、
小さいワイナリーがさらに面白い。
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