第144回
ナイアガラワインの小さなワイナリー
私がナイアガラワインで一番おどろいたワイナリーは、
Joseph's
Estate Wines と言う。
ナイアガラではもっとも古いワイナリーの一つだ。
最近は知らないが、
2002年に訪問した時点では、
日本にもあまり紹介されていなかったのではと思う。
こちらは小さいワイナリーで、年間18000ケースを生産している。
そして、白ワインが特に素晴らしい。
オープンの朝10時ジャストに訪問したところ、
オーナーのJoseph Poholy氏がちょうど出勤してきて、
握手を交わす。
ピノグリ、リースリング、ゲベルツトラミネールの
それぞれの1998年を試飲。
いずれも、素晴らしい品質で、
きりっとした旨みがあって、雑味が少ない。
ゲベルツトラミネールは
良好なアルザスワインを越える骨格があり、
ライチの香りと酸味のバランスが素晴らしかった。
次にレイトハーベストのワインを試飲する。
こちらは、アイスワインになる一歩手前に
収穫した葡萄で醸造したワインだ。
ほどよい甘みが心地よく、しかも、価格はアイスワインの半額。
これはとてもいいと思って飲んだあとに、
本当のアイスワインを試飲。
甘みのこくが全然違う。
やはり、葡萄を遅くまで熟させて、
さらにそれを自然の寒さで凍るまで待って
水分を飛ばした葡萄液で作った努力は、
味にとてもよく現れている。
値段が倍するのがよくわかる。
凝縮された甘み、それも、雑味を感じない
すっきりとした綺麗な甘みに口がほころぶ。
有名なワイナリー訪問もいいが、
現地で真面目にいいワインを造っている
知名度の低い小さなワイナリーを発見すると、
とても嬉しいものだ。
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