| 第65回酒と健康
 最近買った酒の本で得心が言った本を紹介したい。滝澤行雄「日本酒いきいき健康法」柏書房
 著者の滝澤先生(秋田大学名誉教授)とは、
 日本酒造組合中央会近畿支部の
 経営者セミナーの講師にともに呼ばれて
 お目にかかったことがある。
 興味深い講演内容であったのだが、
 当日はセミナーの幹事の蔵元さんたちとの懇談がはずんで、
 残念ながら滝澤先生のお話を聴くことができなかった。
 そこで、著書を読んでみた。
 この本は、私がこれまで断片的に得た日本酒を中心とした酒類の薬効が、
 整理されて根拠となっている
 医学研究やデータの出所を明示しながら記述されている。
 多少、専門的な記述があって
 浅学の身には理解が大変なところもあるが、
 内容は目から鱗の酒飲みを励ますものばかりだ。
 概要だけを紹介すると、日本酒にはものすごい薬効があり、肝硬変、がん、動脈硬化、糖尿病、老化痴呆、ストレス、
 不眠症など様々な病気の予防に効果があるというものだ。
 酒と健康の係わり合いとしては、焼酎、ワインは健康によいが、
 日本酒は健康に悪いというイメージを持っている人が多い。
 しかし、麹の酵素は制ガン効果があるなど、
 様々な薬効をもっている。
 肝硬変による死亡の多い地区と飲酒の種類を調査すると、
 肝硬変死亡の多い地区は焼酎の消費量が多いところと、
 少ない地区は日本酒の消費量が多いところと一致するそうだ。
 ただし、日本酒を飲んで健康を維持するのは1日2〜3合程度までと滝澤先生は断っている。
 この節度を持った日本酒との接し方を守れば、
 死に至るリスクを低減できるというのは、
 酒飲みにとっての朗報である。
 その実証データは滝澤先生の本に詳しく述べられている。
 酒飲みには必読の書としてお勧めしたい。
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