第23回
シングルモルトの愉しみ
最近は醸造酒を飲むことが圧倒的に多く、
蒸留酒を飲むことは少なくなった。
蒸留酒を飲むと翌日の体調が優れない。
醸造酒より蒸留酒のほうが翌日に残らない
と昔から言われているが、私の場合は逆だ。
蒸留酒が何故翌日残るかというと、
アルコールの熟成に関係があるようだ。
というのは、若い年数のウイスキーなどを飲むと
絶対に次の日に体調が悪くなる。
また、アルコール添加をした日本酒も翌日残ることが多い。
これに対して、
例えばシングルモルトスコッチウイスキーのビンテージなどの
熟成したものは大丈夫だ。
たぶん体内のアルコール分解のTCAサイクルが違ってくるのだろう。
最近のブレンデッドスコッチウイスキーは
造りがどんどん悪くなってきている。
キャラメルなどで味を調整したものが多く、
この混ぜ物も体調を悪くさせるのではと思う。
これに対して、シングルモルトウイスキーは
真面目に造っている蒸留所が多いようだ。
ハイランド、ローランド、
キャンベルタン、アイラ島などと分類できるが、
これらのなかでアイラ島のものは
海水のヨードの香りが独特である。
その一番選手はラフロイグで、
シングルモルト初心者に飲ませると
ヨードチンキのような強烈な香りにむせ返って、
とても飲めないと言われる。
ところが、飲みなれてくると
この香りがなんともいえない魅力となり、癖になる人が多い。
飲み終わってからも空のグラスから立ってくる香りも
なんともいえないものだ。
アイラ島以外のシングルモルトも、
いろいろ個性があって大変面白い。
スカイ島のタリスカーはピート香が強く、
独特の香味がやみつきになる。
ビンテージのシングルモルトは国立・銀座のバーヒース、
恵比寿・銀座のオーディン、代々木上原のカエサリオンなどの、
こだわりを持ったショットバーで飲める。
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