“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第24回
シャンパンの誘惑

シャンパンというと、何を思い出すだろうか?
映画やテレビのドラマでよく使われる小道具とか、
お祝いで飲む特別な酒などと思われる人が多い。
しかし、シャンパンは食中酒として最適なワインであるので、
機会があれば積極的に普通に飲むことをお勧めしたい。

シャンパンはシャンパーニュ地方で
伝統的な造りをしたものに限ってそう呼べるが、
醸造所は大手のネゴシアンマニュピュランと、
家族経営で自家栽培・自家醸造をしている
レコルタントマニュピュランに分かれる。
ドンペリなどで有名なモエエシャンドン、クリュッグ、
ブーブクリコ、ランソン、ローランペリエなどは
全てネゴシアンだ。
彼らは特別なプレミアムシャンパンを除いては、
葡萄は複数の栽培農家から買ってきて、
それらをブレンドして醸造している。
生産量も半端ではなく、地下セラーは数キロに及ぶ。

これに対して、レコルタントマニピュランは別名、
ドメーヌシャンパンとも呼ばれており、
自分で葡萄の栽培から醸造までを一貫して行う小さい蔵だ。
いい葡萄は自家醸造にまわし、
品質の劣るものを大手に提供している。
シャンパーニュの葡萄栽培も
最近は農薬をいっぱい使うようになってきたが、
アンリ・グトルブやラルマンディ・ベルニエなどの
真面目なドメーヌシャンパンでは
まだ無農薬栽培を頑なに守っている。

グトルブは特級生産村であるアイ村の
なだらかな丘の中腹に位置する。
ここのシャンパンは力強く、
かつ雑味が少なくて綺麗な香味があり、熟成して美味しくなる。
シャンパンは熟成には向かないと言われているが、
いい葡萄を使ってしっかりと醸造し、
門出のリキュールの添加(瓶詰め時に発酵を止める)なしに
瓶詰めすると熟成して美味しくなる。
ドメーヌシャンパンのビンテージは
食卓に天使が降りてきたかのような幸せを感じる。


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