第190回
“注射”じゃなくて“食物”で!

抗加齢医学研究会の続きで
今日は美容や健康食品に関する企業の出展ブースが
とてもにぎやかだった様子を見て感じたこと、
また、リスクありの補充療法についてです。

シワやシミを取り除き美白効果のある化粧品類、
食事では不充分になりがちな栄養分のサプリメントなど、
手間隙かけず、手軽で簡単に摂取可能なものが
たくさん出展されていました。
けれど物によっては大変高価でとてもじゃありませんが
飲み続けることなど不可能に近いものまであります。
“薬局は台所にあり!”という言葉どおり
食べるものが私たちのからだを作っているわけですから
八百屋さんへ行って、自分で工夫した食事なら
とても安上がりなのですが
なかなかそういう発想になる人は少ないようです。

加齢に伴い特に女性は女性ホルモンの激減によって
様々な不快症状に悩まされます。
いわゆる“更年期障害”というものですが
骨のスカスカ化や心筋梗塞の誘発、
ホットフラッシュと言われるのぼせ、ほてり感、
不眠、精紳不安定、頭痛、肩こり・・・
“病気”と一言ではくくれないこの中途半端な状態に
なんとか脱したいと感じている人は今や300万人とも言われています。

治療法として挙げられている
ホルモン補充療法や栄養補充療法。
特に前者は子宮内膜ガンや乳ガンが危惧されていることや
副作用、相互作用なども知っておかないと
逆に体調をくずしかねないことから
そうお気軽に受けてよいものか、?マークです。
ますます“更年期=加齢はいやなもの、苦しいもの”
という受け止め方をしてしまう可能性もあります。

とはいえ中には運動療法や
ライフスタイル改善アドバイスなども盛りこむなど
トータルにこれらの不快症状を
乗り越えようという動きはあるようですね。
(私はこちらをぜひお薦めしたい!)

高齢化に伴う医療費については大きな問題の一つです。
1995年の健康保険連合会の報告によると
月額の医療費が500万円を上回ったケースが
5年前と比較すると2.7倍に増加しているとの事です。
補充療法を受けながらも食生活を改善せず
砂糖類や乳製品、果物などの過剰摂取を続けていては
本末転倒状態になってしまうので、
ぜひ食事と運動を生活に盛り込むことの大切さを
見つめなおすこと、そしてこれらのアピールを
1人でも多くの人に発信していくことが
自分のやるべきことの一つなのではないかと思いながら
会場を後にした私なのでした。
明日は“コンチネンス”について。
この言葉の意味、ご存知ですか?


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