第188回
姿勢と若さは腸腰筋から

私たちの背骨は真っすぐでないことはご存知ですよね。
首の部分は前湾、胸の部分は後湾、腰は前湾というように
衝撃をうまく吸収できるように
各部がゆるやかなカーブを描いています。
このカーブを程好く保つには
筋肉の柔らかさが必要になってくるのですが
特に姿勢を保ったり歩いたり、
腰が曲がったりしないようにするポイントとなる筋肉があります。
それが今日のお題、“腸腰筋”です。
からだの深部にあるこの筋肉は
意識することが難しく、その存在自体にも気付きにくい。
けれど日常動作ととても密接なので
意識して付き合っていて損はしない筋肉です。

大腰筋と腸骨筋という二つから成り立っている腸腰筋。
大腰筋は腰椎(だいたいオヘソから下の部分)
から大腿骨(脚の付け根)の内側へ、
腸骨筋は、骨盤の像の耳のような湾曲を描いているところから
同じく脚の付け根の内側に付着しています。
筋肉の始まりは別々ですが終着点は同じという事です。

筋肉のつき方を考えてみれば、
どんな動作の時に使われるのかが見えてきます。
腰から脚の付け根にかけて筋肉が伸びているのは
まず腰(=上体)を前に倒したり
もとにもどしたりする際に使われます。
または膝を持ち上げたり下ろしたりする時も活躍してくれます。
けれどこの部分の筋力や柔軟性が低下してくると
これらの動作がしづらくなってくるという事は
もうおわかりですね。

柔軟性を失うと腰椎の本来ある前湾がなくなって
真っ直ぐになってしまいます。
そうするとからだは適応能力を発揮して
後湾している胸の部分を支えるために
上体を前に傾けるようになります。
これは良い状態といえるでしょうか。
いいえ、良いはずがありませんね。
なぜなら今まで使われていなかった胸や背中の筋肉が
姿勢を支えるために動員される事にったという事は
無理をかけてしまっている、
つまりコリなどの原因をつくっているという事なのですから。

腰や背中の丸まりは何歳であっても
決してかっこのいいものではありません。
腰を据えるには腸腰筋の筋力、柔軟度は不可欠。
ぜひ腸腰筋を柔らかく保つように心がけていきましょう!
明日はアンチ・エイジングについて。
若く美しく生きるということは・・・。


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