第36回
精神意識導引の陰陽バランス
太極導引の練習は
陰陽理論に基づいて行います。
それは陽的な目に見える動作姿勢の練習と、
陰的な目に見えない意識呼吸の練習ですが、
動作練習と意識呼吸練習の中には
更にそれぞれ陰陽バランスがあります。
精神意識の導引練習における陰陽には、
精神状態の平静(陰)と興奮(陽)、
意識する点の少(陰)と多(陽)、
集中する場所の固定(陰)と移動(陽)などがあります。
精神状態の平静と興奮については、
特に自律神経の働きとの関連性があります。
一般的に興奮状態の時には
自律神経の交感神経が働きます。
例えば走ったり緊張する時などの場合には、
心拍や呼吸が速くなり、血管が縮み、
血圧が高くなるような全身状態になります。
逆に平静状態の時には
自律神経の副交感神経が働きます。
例えば睡眠中の場合には、
心拍や呼吸はゆっくりとなり、
血管が拡張し、
血圧が低くなるような全身状態になります。
太極導引では、
動作姿勢を動かしている時に
平静な精神状態を保つこと、
或いは平静状態を作ることを練習します。
中国語では『動中求静』といいます。
陽に属する動きや興奮状態にありながら
同時に陰に属する専念集中や
平静を保つ精神心理もコントロールします。
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