第35回
中医学からみる疾病の原因
前回は、情緒や心理が落ち着く状態は
健康になるための第一要素であることについて、
現代医学の視点からお話しました。
そこで今回は中国伝統医学の視点からお話したいと思います。
中医学では疾病の原因を、
外因、内因、不内外因の三つに分けて考えています。
外因とは「風・寒・暑・湿・燥・火」の
六つの邪気が
体の中に侵入してしまうことです。
内因とは「喜・怒・哀・楽・悲・恐・驚」の
七つの精神情緒状態が
乱れてしまうことです。
不内外因とは
外因、内因のどちらにも含まれない飲食や
怪我などが原因で病気になってしまうことです。
外因となる六つの邪気を予防する方法は、
現代では衣類やエアコンなど数多くの手段があります。
また、飲食や怪我などが原因となる病気に対する薬は
古代からたくさんありました。
現代はもっと豊富になっているのではないでしょうか。
その一方で、精神的、情緒的な病気に対しては
古代から現代に至るまで薬など効果的な治療法が少なく、
内因に対する予防もしにくいので、
精神情緒状態を自分でコントロールする必要があると思います。
また、『黄帝内経』の中にも
「恬淡虚無、真気従之;精神内守、病安従来」
という病気予防に関する一言があります。
大体の意味は
「情緒、欲心をほどほどにして、
意識、心理を安定させれば気が充実し病気になりにくくなる」
というもので、
同じく自己コントロールの必要性に触れてます。
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