第37回
呼吸運動は自律神経の調整に役立ちます
太極導引を行なう時には
もう一つの基本要領があります。
それは、自分の呼吸にあわせて
肢体運動を行なうことです。
生命の基礎となる呼吸は、
誰もが欠かさず行っているものですが、
実はこの呼吸を調整することで
生命状態も整えることができるのです。
私達は呼吸により体外の酸素を摂取し、
体内のガスを排出します。
また、呼吸運動によって
体腔が縮んだり広がったりする状態は、
ちょうど内臓をマッサージするように揉むことになり
血行を良くします。
しかも呼吸運動が自律神経に支配されていることで
私達は無意識でも行っていますが、
意識的にコントロールすることもできるのです。
このように意識してもしなくても行える呼吸の特徴は、
意識して呼吸を整えることで
自律神経の状態を調整する入口とすることができます。
緊張時は心拍がドキドキして汗が出てきたりしますが、
これは自律神経の交感神経を興奮させた状態です。
そんな時に深呼吸をしてみると、
心拍がゆっくりしてきて汗もひいてくるなど
落着いた状態に変わります。
このような経験は皆さんにもあると思います。
だからこそ、
さまざまな呼吸の練習法が考えられてきて、
自律神経が支配する血管、心臓、
消化器などの機能の調整を図っており、
太極導引ももちろん
呼吸法を利用して体を鍛錬します。
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