東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第60回
中国最大のチェーンストア
いよいよ27日(金)新規上場

「聯華超市」(レンカ・スーパー)香港H株

銘柄コード : 0980
市 場 : 香港メインボード(H株)
上 場 日 : 03年6月27日
公募価格 : 3.875香港ドル
額 面 : 1元

発行済株数 : 565.000千株(上場時)
公募株式数 : 150.000千株(追加発行オプションを除く)
売 買 単 位 : 1,000株
大 株 主 : 上海友誼集団(37.5%、上場時)
主 幹 事 : BNPパリバ、HSBC

[会社・事業概要]

中国チェーンストア最大手の同社は、
91年創業で本社は上海です。
社名の「超市」は「超級市場」
(スーパーマーケットの中国語略)です。
現在、中国16の省・市で小売り事業を展開しています。
03年4月末現在の店舗数は2,088店、
業態別には大型総合スーパーが17店、
中型総合スーパーが887店、
コンビニが1,184店あります。
同社は今期中に1、000店舗の新規出店を計画してます。

事業形態は、大型総合スーパー(店舗名は世紀聯華)、
中型総合スーパー(聯華)、
コンビニ(QUICK)の3つがあります。
このほか、一部の連結子会社では
通信販売やネット販売も手掛けています。
カルフールとの合弁会社、
上海聯家(94年設立、同社の持ち株比率は45%、
連結決算上、特分法が適用される)が上海で「カルフール」
6店舗(平均売場面積が9,600u)を運営しています。
上海聯家からの持分法投資利益は過去3事業年度の平均で
連結純利益の56.8%、02年度実績では
連結純利益の42%を占めています。

[業界動向]

中国の個人消費は92〜01年までの10年間、
年率14%の成長を維持してきました。
経済成長の維持が至上命題の政策当局にとって、
消費の刺激も大きな政策テーマの一つになっています。
そうした中、中国の小売業界は外資の進出に伴って
業態が多様化しています。
特に成長が著しいのは総合スーパー、専門スーパー、
コンビニエンスストアーなどの形態ですが、
3業態の店舗数は01年末時点で17万店に達しています。
4月17日、上海市政府が同市に事業基盤を置く
国有大手小売企業4社

(1)上海友誼集団(同社とB株上海友誼の親会社)、
(2)第一百貨店集団、
(3)華聯集団(これまでは同社の主要競争相手であった)、
(4)物資集団の事業統合を発表しました。

統合後の新会社「上海百聯集団」は、
中国最大級の小売りグループとなる見通しです。

同社の上場直後の株主構成(予定)は、
筆頭の上海友誼に続いて上実商務が23.3%、
3番目に三菱商事が
発起人持株7.4%の持株比率となっています。

「私の見方」

同社の連結業績は順調に推移しています。
02年の売上げは58億2千百万元、
純利益は1億2千8百万元で、
前年比それぞれ22.4%、33.1%の大幅増収増益です。
EPS(一株当たりの利益)は0.31元で
公募価格の3.875香港ドルだと
PER(株価倍率)は約13倍程度ですが、
公募株式を加えた希薄化後は約18倍となります。

同社をネガティブに見れば、
同社が今期の業績予想を開示していないことや、
配当性向に関しての具体的な数字を表明していないことが
不透明材料となります。
また、PER18倍はやや割高感があります。
ただ、現地(香港)での売出し予定の
1億5千万株に対する申し込み状況は好調で、
機関投資家の応募倍率は20倍、
一般投資家は80倍に達した模様です。
現在、上場H株には小売り業種(銘柄)が無いことや、
同社が中国最大手のチェーン・ストアという
知名度の高さがあることが強みだと思います。

WTO加盟後、小売業界の競争は激化していますが、
同社は今回の上場を機に中国小売り業界の雄として、
内外の知名度はさらに高まると思います。
H株発行株数1億5千万株の内訳は機関投資家への割り当てが
1億3500万株、一般投資家への割り当ては1500万株です。
売出し株数が多くないということは、
人気次第では株価の値幅に
妙味が出てくる可能性が大きくなることも予想されます。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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