東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第58回
H株にニューフェイス登場 北京オリンピック関連銘柄

「首創置業」(ベイジン・キャピタル・ランド)
香港市場コード2868
本日、香港H株市場に新規上場します。

公開予定株数 5億6,463万株(うち公募5,646万4千株)追加発行オプション分を除く、応募状況により変動する場合あり。
額 面 1元
売 買 単 位 2000株
公 募 価 格 1.66香港ドル

【会社概要と事業の概況等)】

同社は、北京市の大手不動産デベロッパーで、
高品質のオフィスビルや商業用不動産の開発、
中・高級の住宅開発を主力事業としています。
03年4月30日現在の不動産開発ポートフォリオは、
27プロジェクトで面積は約287万8,109mに及び、
開発完了後の総床面積は335万7,033mと見積られます。
開発済みのプロジェクト、
今後開発されるプロジェクトは全て北京市内にあります。

現在、長期投資を目的として複数のホテルを開発中で、
今後、不動産投資をコアビジネスの一つとする意向です。
現在、同社は子会社を通じて
不動産の販売コンサルタント・代理・管理事業を行っています。
同社の親会社は、北京市政府の監督下にある国有企業の
「北京首都創業集団有限公司」が親会社で、
1995年の設立以来、
金融・不動産開発・インフラ・テクノロジーなどの事業を
展開してきました。

北京市政府との関係は、
同社グループの事業にメリットをもたらすものと思われます。

土地及び不動産開発は、
北京首都創業集団設立の95年以来主要事業の一つであり
同社グループはこれまでに開発したオフィス・商業不動産では
CIACビルディング、住宅開発では名仕花園、陽春光華、
盛世嘉園、舟方苑などがあります。

【業績など】

過去3年間で同社は急速に収益性の高い企業に成長し、
02年には売上高約22億8370万元、
純利益2億1810万元となっています。
過去3年間では、総床面積で
73万2223mに及ぶ販売契約を獲得しています。
北京市は08年夏季オリンピック開催に向け
1800億元に及ぶインフラ開発を公約していること、
中国のWTO加盟により
北京への外国投資の加速が期待できることなど、
北京の不動産市場はポジティブな材料を抱えており、
同社の事業発展の余地も大きいと予想されます。

【配当政策】

03年から始まる各年度において、
配当可能利益の20%を下回ることのないよう配当する方針。
但し、03年の配当については1年分ではなく
上場日から12月末までの期間で案分した配当を行う予定。

【私の株価予想】

初値は別として、同社の株価が
公募値の1.66香港ドル近辺なら妙味があると思われます。
03年の予想EPSが0.141香港ドル
(ブルンバーグ・コンセンサス予想の平均値)で
PERは11.8倍程度です。

同業他社の華潤置業(レッドチップ0291)の
同予想PERが約15倍台
同じく北京北辰実業(H株0588)の
13倍台と比べると割安感があると思われます。

同社会長の劉氏と役員の王氏は同社の役員になる前、
北京市政府の各部署で
重要なポジションを経験しているということも、
同社を見ていく上でプラス材料になるかも知れません。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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