東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第56回
独り言 中国株の夢と浪漫

[ウソつき]

皆は私のことをウソつきと思っているに違いない。
何故なら、昨年来私は「QDII」が今年3月の全人代以降に
認可される可能性が大きいとお話ししてきたからです。
ところが未だに認可されていません。
しかし逆に、認可されていないからチャンスがある。
今となっては、まだすぐに認可して欲しくない、
というのが本音です。
喜びは多くの人と分かち合いたい。
もっと多くの人に中国株を知っていただきたい。
たとえ何年先になったとしても・・・・今はウソつきでも。

[彼らもウソつき?]

3月末、上海にて証券取引所の関係者や、
地元証券関係者と情報交換しました。
その時、「QFII」に関して
海外機関投資家の認可を4月上旬には発表しますと
自信たっぷりに教えてくれました。
機関投資家の会社名も6社まではっきりと教えてくれました。
しかし1ヶ月が過ぎてもそんな発表はなく、
内々では私はウソつきになっていました。
ところが先週(26日)の日経で野村証券、UBSウォーバーグが
QFIIの認可を受けたと発表されました。
発表時期こそズレていましたがウソではなかったんです。
ただ残りの機関投資家名は発表されていません。
でもいずれ発表されるでしょう。

[とらぬタヌキの皮算用?]

個人的見解になりますが、
どうも彼らは1社につき30億元以上の投資資金を
望んでいるように思えます。
機関投資家6社として約180億元、
円換算でおよそ3000億円程度になります。
現在、上海・深の両取引所の
A株時価総額が約63兆円です。
もしQFIIで海外から3000億円超が
A株式市場に流れ込みますと
約5%ちかい株式を吸い上げてしまう格好になります。
ただ、野村証券やUBSさんの初期投資額は
せいぜい50億円程度と見込まれます。
しかし、これからまだ数社のQFII認可が発表され、
投資額も徐々に増大していけば
「とらぬタヌキの〜」が現実化していくかも知れません。

これは日本の昭和30年代後半から40年代に、
米国等から巨額の投資信託
(ジャパンファンドなど)が流入した時と似ています。

[池の中をクジラが泳いでいる]

かつて昭和32年〜36年、
日本の株式市場で投資信託ブームが起こり、
「池の中をクジラが泳いでいる」と表現されました。

本日の「上海証券報」によると、
中国の社会保障基金の株式運用が近く解禁される見通し、
と報じられました。
同紙によると、国内6投信会社と
株式運用委託に関する取り決めを交わし、
1社あたり20億〜30億元の運用枠を設定した模様。
市場関係者の間では売買開始時期が
「月内にもスタートする」という見方もありますが、
これは全く不明です。
前々から社会保障基金の
株式運用に関してのウワサは浮上していましたが、
本日の報道が事実であるならば
時期はともあれ株式市場にとっては喜ばしいニュースです。

QFIIによる海外資金の流入や、
社会保障基金による国内投資資金の株式市場への流入は、
盤石な国内株式市場整備のため大いに期待できます。

まだまだ、「中国株」の夢と浪漫はこれから始まるのに・・・・

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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