東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第51回
エイズ騒ぎの時、日本では
「北京同仁堂科技」香港GEM市場 コード8069

[2002年12月期業績、2桁増収増益]

2000年3月、漢方薬の老舗、
同仁堂グループの2つの工場及び
研究所を分社化して設立した漢方薬専門の製薬会社。
02年12月期の連結業績は、
売上高の6割強を占める主力製品の好調
(金額ベース消炎鎮痛解熱剤+58%、
 補腎薬+19%、感冒薬+50%)で、
01年に引き続き大幅な増収増益となった。
海外向けは売上げ構成比こそ低いものの
(3.5%、02年実績)、
マレーシア、カナダなどへの新規出店効果もあり、
前年比4割増収と順調に売上げを伸ばしている。
同社の連結業績は、売上高で前年比+33.3%、
純利益は同+47.5%、EPSは0.81元となりました。
(国際会計基準)

[今後の事業戦略]

1.生産能力の拡大。北京亦荘経済開発区内に建設する
  GMP基準(医薬品に係わる優良製造所基準)適合の
  新工場は昨年11月に竣工し、今年年初に
  錠剤生産ライン2ライン、包装ライン4ラインが
  本格稼動に入った模様。
  会社側によれば、昨年内に取得したGMP認証を含めて、
  03年3月現在、同社すべての生産ラインが
  GMP認証取得済みであるという。

2.販売力強化。
  (1)医療用医薬品市場の開拓、
  (2)年商1億元以上の大型薬品の育成(03年目標は1〜2種類)
  (3)新薬(抗感冒新薬)の拡販。

3.新薬開発。今後の期待新薬として心血管障害治療薬
  (新薬承認・生産許可取得済み)、
  更年期障害治療薬(今期中に医薬品承認申請)などがある。
  独ダイアノーム社との合弁会社ではリポソームと呼ばれる
  脂質(ミクロカプセルに用いられる)の
  商品開発が行われており、最初に製品化した化粧品は
  現在テスト販売を行っているという。
  (弊社2002年12月期本決算レビューより抜粋)

昨日、同社の03年第一四半期の決算が発表されました。
売上高は2.71億元、純利益は4,835万元で、
それぞれ前年同期比+40.16、+35.6%となっています。

日本でエイズが騒がれた時、株式市場ではオカモトや
相模ゴム工業などの株式が活況を呈しました。
今回のSARSと比較するのは間違っているかも知れませんが、
同社が販売している「板藍根」が飛ぶように売れ、
同社株が上昇しているのは、
当時と状況が似ているような気がします。

なお、前回号で同社が「板藍根」を
製造しているような表現をしている部分があり、
一部誤解を生じさせてしまいました。
同社の大株主「同仁堂」(持ち株比率54.7%)が製造しており、
同社は委託販売をしています。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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