第48回
10割無償増資に期待
中国万科(深B株)市場コード200002
不動産業のリーディングカンパニーと呼ばれる同社は
いち早く2002年の通期決算を発表しています。
同時に、期末の現金配当を一株あたり0.2元、
プラス10割の無償増資を予定していることを発表しました。
これは会社側の提案であり、決定事項ではありませんが、
今月22日に株主総会を開催し、上記提案が可決されれば
具体的なスケジュール発表が行われると思います。
ちなみに、中国企業の大半は12月決算ですが
配当や権利に関しては日本の制度と多少違います。
日本では、期末(決算月)までにその銘柄を購入しておかなければ
配当や権利を取ることが出来ませんが、
中国の企業は決算は決算、配当は配当、で時期が別々です。
決算は12月ですが配当権利は4月〜5月に購入しても
取得できます。(期間は銘柄によって違います。)
「02年12月期連結業績 実質34%増収、77%増益」
深に本拠を置く大手不動産会社。
中国では地域間所得格差が大きいため、
特定の地域に限定して事業展開している不動産会社が圧倒的に多い。
その中にあって同社は深、
北京、上海の3大都市圏に依拠しつつ全国展開を果たしている
数少ない有力企業です。
02年通期の連結業績は、連結範囲変更の影響を除けば、
実質34%増収、77%増益となりました。
具体的には、同社は不動産事業に特化する経営戦略の一貫として、
01年9月に百貨店を経営している子会社
「万佳」の株式を親会社の華潤に売却したが、
同年の連結業績には「万佳」の8ヶ月分の売上げ高
(税引後利益ベース約1億3,700元)が計上されています。
このため、01年との単純比較では
不動産の販売好調を見逃すことになります。
「分譲事業が好調、営業キャッシュフローも大幅に改善」
同社02年の分譲住宅新規着工、
竣工及び(販売(予約販売を含む)は
数量ベース(中国では分譲住宅の価格は、
建築面積に1u当たりの単価を乗じて算定されるのが一般的)で
それぞれ対前年比+45%、+38%、+74%となっています。
引き渡しが完了している販売面積は112万uと
対前年比62%増、
会社側当初計画(100万u)を12%上回りました。
地域別には深、北京、上海の大都市圏は
引き続き好調に推移しているほか、
ここ2、3年、新たに進出を果たした
武漢、成都、長春も全社平均以上の利益率を上げ始めています。
販売好調を受け、期中に約9億元在庫(土地・販売用物件)を
積み増ししたにもかかわらず、営業キャッシュフローは01年
▲14億元から9,100万元の黒字に転じています。
同社の株価は決算発表前には6香港ドル台で推移していましたが、
好決算や大幅無償期待で買い進まれ、
昨日は8香港ドル台を付けました。
昨日の大引けは7.86香港ドルでした。
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