東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第37回
本日上場、香港H株の紹介
中国外運(シノトランス)香港H株 市場コード0598

同社は中国の総合物流大手で、中国全土にネットワークを持ち、
海外にもエージェンシー・ネットワークを持っています。
陸・海・空の貨物輸送業務を手掛け、
宅配・急送サービスおよび配送運輸業等を主力業務とし、
倉庫、ターミナル業務等も行っています。
2002年11月に親会社の中国対外貿易運輸集団総公司を
唯一の株主とする株式会社として設立され、
親会社から成長著しい中国の沿岸地域
(広東、福建、上海、浙江、江蘇、
湖北、連雲港、山東、天津、遼寧)
およびその他地域の資産・営業基盤を受け継ぎました。
親会社は再編前(2001年度)に、
国際貨物輸送業務及び宅配・急送サービスでは中国最大手、
海運代理サービス業務では中国第2位の実績をもっています。

「成長分野への期待」(宅配・急送サービス)

2001年12月期における
同社の売上げの71.4%は貨物輸送業務です。
営業利益の33.8%を占める主要部門で、
国内外の顧客に海上輸送、航空輸送、
鉄道輸送、トラック輸送を通じ、サービスを提供しています。
同社の宅配・急送サービスは
売上げの僅か7.3%に過ぎませんが、
営業利益の31.4%を占めています。
国際宅配便大手の米国DHL等との合弁や提携により
国際的なサービス・ネットワークを利用し、
国際急送サービスを展開中です。
また、海運代理業も売上げの僅か3%に過ぎませんが、
営業利益の26.3%を占めています。
上海、深セン、天津、青島、寧波、大連など
中国の主要港で事業展開しています。
今後、この宅配・急送サービスや海運代理業の伸びが、
即同社の成長につながると予想されます。

現地報道によると、国際宅配便大手の米DHLが
同社発行済み株式の5%、UPSが同3%、
英国のEXELが1,000万米ドル相当を、
日本の日新が同0.1%を取得する見込みだそうです。

公募価格は2.19香港ドル。予想PERは約16倍。
売買単位は1,000株。
同社の大株主は中国対外貿易運輸集団総公司
(61.5%、公開時)です。

同社は日本の日通と呼ばれているそうですが、
陸・海・空という業務分野の広さが、
今後多岐にわたる内外企業との業務提携等により、
日本の日通やヤマト運輸、そのほか海運や宅配業務といった
総合物流企業としての成長が期待されます。

今年に入ってからの香港H株の地合いの良さも、
新規上場企業としての同社への追い風になると思われます。
詳細についてはお問い合わせください。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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