東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第36回
中保国際(チャイナ・インシュランス)
(香港レッドチップ 市場コード966)

同社は中国国務院(日本の内閣に相当)直轄の
保険グループであり、中国保険業界の雄、
中保集団グループに属しています。
同グループでは唯一の海外市場上場企業
(香港市場唯一の中国国内保険企業)です。

2000年6月に香港市場に上場し、
主要業務はアジアを始めとした世界各国での再保険業務
およびブローカー業務、その他株式投資、不動産投資などです。
また、中国国内で損害保険や生命保険業務免許を保有する
「太平保険」と「太平人寿」を傘下に持ち、
現在は香港、マカオ、上海、
北京、広州、成都に拠点を有しています。

収益や成長性

2001年の営業収入は20.2%増の8.3億香港ドル、
加えて2.11億香港ドルの未公開株売却益が貢献し、
純利益は95.6%増の2.3億香港ドルと業績は好調です。
2001年は企業買収や株式取得を通じて
生命保険業務も伸長しましたが、
依然として再保険業務が売上げ高の98%近くを占めています。
地域別では円安や市場低迷で日本市場の比重が低下した反面、
中国国内市場が躍進し、
欧州、北米、豪州の業務収入も大幅増となっています。
保険業界に過去最大の打撃をもたらした
米国同時多発テロ事件で、
同社の賠償金は3000万香港ドルでした。
これは同社の収入全体の4%以下という
軽微な損害額で済みました。
同社の充分な資金や再保険業務の好調
(手数料の引き上げなど)もあって、
財政状況への大きな影響はありませんでした。

同社の今後の課題は、国内で外資と競争しながら、
まだまだ未発達の生命保険分野の開拓を
いかに推し進め普及させていくかにあります。

中国の生命保険大手3社は
「中国人寿」「中国人民保険」「平安保険」です。
上記3社は近い将来、香港やニューヨークなどへの
上場が噂されています。
国有保険会社が海外上場を果たせば、
国際資本の中国保険市場への間接的な参入のための道を開き、
中国保険業界成長のための新たな方法として、
お互いに多大な利益を享受できると期待されます。

いち早く、海外上場(香港市場)を果たした
「中保国際」のイメージは損保会社ですが、
生命保険業務の拡大によって総合保険会社へと
変貌していくと期待されます。

株価は今年、大発会(1月6日)の
3.875香港ドル(大引け)からじわりじわりと上昇し、
直近は4.2〜4.5香港ドルでのもみ合いで推移しています。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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