東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第35回
第一弾 中国の保険市場に注目

[日生、17年の「悲願」実る]

先の日経新聞に上記のタイトルで、
日本生命の記事が掲載されていました。
中国で第4位の大手家電メーカー(上海広電集団)と
合弁生保設立で正式に合意した記事です。
新会社は「広電日生人寿保険」で、出資比率は折半。
資本金は50億円程度ということですが、
中国の外資系保険としては最大級です。
上海に本社をおき、中長期的に新会社を
アジア事業の核として育成する考えのようです。
日生の中国進出に係わる努力と苦労が17年を経て成就したそうです。

[生保市場は日本の10分の1]

中国の生保市場は、年間の保険料収入ベースで約3兆円。
日本の約10分の1程度でした。
しかし、2002年の保険料収入は
約4兆5千億円(5〜6割の伸び)に達した模様です。
5〜6年前の中国1人当たり保険料は88人民元でしたが、
2001年には169人民元と倍増しています。
そして2002年は237人民元と一年で40%増となり、
近年で最も高い成長率を記録しています。

縮小する日本市場とは対照的に驚くべき成長を続けています。
ちなみに、中国の保険市場は過去20年間、
年平均34%の成長で拡大し、2000〜2020年までに
年平均成長率は14.9%に達すると予想されています。

外資系保険会社はAIA(米)やアクサ(仏)、
ING(オランダ)、また損保ではAIU(米)など
欧米グループが先行しており、
現在約30社の生損保グループが進出しています。
しかしそのシェアは規制等もあってまだ2%程度ですが、
今後は営業が認められる地域も広がる見通しです。

中国で庶民の保険需要が
急速に高まっているのは間違いありません。
ビールやカード、携帯電話、自家用車などと同じ視点で
保険の伸びも注目したいと思います。
それに何よりも保険業の高速発展は社会の安定、
経済の保障、市民のよりよい生活のために
重要な作用を果たしていると思います。

先の「広電日生人寿保険」の首脳は、
「中国市場はまだ未熟だが、
上位10%の富裕層だけを対象としても日本に匹敵する規模になる」
とコメントしています。

次回は、私達が買える中国保険業界の雄をご紹介します。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
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個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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