東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第33回
旧正月と株式市場 その3 「中国株式市場の見通し」

高まる期待感

昨年11月、5年に1度の党大会(第16回)が開催されました。
ご存知のように最高指導部人事で、胡 錦涛総書記を中心とする
第4世代の新指導部体制が誕生しました。

しかし、実質的な権限移譲がなされるのは
3月5日開催予定の全人代
(年に1度開かれる全国人民代表者大会)においてです。
党大会において「3つの代表」を
更に発展させる政治体制が打ち出されましたが、
新指導部としての目新しい政策はまだ何も出ていません。
それだけに今年の全人代が注目され、
新政権がなんらかの政策発表をするのではないか、
との期待感が高まっています。
新政権は 小平から引き継いだ
江 沢民 の基本路線を襲踏しながらも、
更なる開放政策を打ち出すことが期待されている訳です。

具体的な政策に関して、
株式市場のうわさで流れた事例をご紹介します。
この27日より香港(落馬洲)〜深(皇崗)間の
通関検問所が24時間(終日)開放されました。
これは香港政府と中国政府との合意で、
旧正月前に実施することになり、
混雑解消と今後の経済効果を狙ったものです。
しかし、このニュースが発表されると
「いよいよ大陸と香港の行き来が大幅に緩和される」、
また「これは一つの政策であって、
これからもどんどん大陸と香港間の規制緩和策が出てくる」
と言ったようなうわさが流れました。
さらには「株式市場にもQDI Iの導入が
早い時期に発表されるのではないか」という
希望的観測がうわさされました。

これも、新体制スタートによせる政策期待感のあらわれであり、
「QFII」が認可されたことで、次は「QDI I」だという、
やはり期待感のあらわれなんだと思います。
こうした期待感の高まりは株式市場に
心理的要因としてプラスに働いています。
(とくにH株やレッドチップ)
したがってスケジュール的には、
少なくとも旧正月が明けて3月の
全人代終了までの中国株式市場は堅調に推移すると予想されます。

QFI Iの認可申請を出した海外機関投資家名を、
当局は4月頃までに公表する予定です。
早ければ4月頃から海外機関投資家による
A株買いがスタートする可能性があることから、
国内株(A,B株)も堅調に推移すると予想されます。
中国人民銀行は先に(14日)、
QFI Iの管理銀行名(営業認可を与えられた)
9行を発表しています。
中国6銀行。中国工商銀行、中国銀行、中国農業銀行、
中国建設銀行、交通銀行、招商銀行。香港2行。
いずれも英国系のHSBC(香港上海銀行)、
スタンダード・チャータード銀行。
米系はシティバンクの1行。
上記、各行は今後、中国証券監督管理委員会、
外為管理局の免許を得て正式に営業を開始する予定です。

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個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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