東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第27回
「TCL国際」 (香港レッドチップ 市場コード1070)

同社は中国国内でのカラーテレビ売上げシェアで20%を占めています。
中国有数の総合電器メーカーで、カラーテレビのほかDVDなどのAV製品や多種多様の電器製品の設計・製造・販売を行っています。

(白物家電から撤退)

中国国内の競争激化が著しい白物家電(冷蔵庫、洗濯機など)業務からは、昨年の第一四半期限りで撤退。
2001年通期決算で、同社の売上げは前年比12%増加したものの、純利益は前年比32%減という大幅ダウンとなりました。
競争激化で粗利益低下の白物家電業務を逸早く切り捨てた格好です。
主要製品のカラーテレビは引き続き好調で、2001年の販売台数は前年比9%増の630万台となり、利益率では業界第1位となりました。

(松下電器と提携)

白物家電に限らず、今後はカラーテレビの業界競争も更に激化してくると予想され、事実粗利益率も低下しています。
同社は昨年4月、松下電器と家電分野での提携方針を発表しました。
松下の先進技術や商品開発力を取り入れ、今後の躍進の足がかりにしていくのが狙いです。

アジアのハイテク成長企業トップ500で第1位)

同社の携帯事業分門である「TCL移動」は、99年から2000年度に売上高を263.3倍と大きく伸ばしました。
こうした中、米デロイトトウシュトーマツは「アジアのハイテク成長企業トップ500」の第1位に「TCL移動」を選び、アジアで最も成長の早い企業として位置づけました。
「TCL移動」は2002年の携帯電話販売台数について、目標の500万台を上回る600万台達成が可能との見込みを公表。販売収入は80億元に達する予定。2003年も前年を超える販売目標を設定する予定。

「TCL国際」は香港市場にレッドチップとして上場していますが、「TCL移動」は非上場です。深A株市場には「TCL通迅設備」が上場しています。
本日TCL国際の株価は2.425香港ドルです。

昨年、中国の携帯電話台数が2億台をの大台を突破しています。
既に米国を凌いで世界第一位となっています。
中国当局は携帯電話の利用者は2005年には3億人に達すると予測しています。予測よりもっと早い時期に3億人に達する可能性の方が強いと思われます。
しかし一方で熾烈な過当競争がはじまっています。
また今年1月1日からは110余りの品目で輸入関税がゼロになっています。この中には携帯電話が含まれます。
話が少しそれてしまいましたが、競争社会の中にあっては必ず勝ち組みと負け組みが出てきます。

「元気印」の中国企業をご紹介させていただきました。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

←前回記事へ 2003年1月8日(水) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ