東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第26回
WTO加盟から1年、中国経済の10大変化

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

本日は大発会。日経平均は134円高で終わりました。
ただ、関係者の今年の日本経済の見通しは、やはり昨年同様に厳しいとの見方が大勢でした。
悲観的な日本経済を尻目に、今年も中国経済は「元気印」を世界にアピールすることだと思います。

中国がWTOに加盟してから一年。経済状況も大きく変化しています。
以下、中国新聞網に掲載された記事をご紹介いたします。
10大変化

(1)法律の改正と制定。国務院の約30部門で1,100件以上の規則が修正、撤廃された。

(2)鋼鉄セーフガード。鋼鉄の貿易紛争でWTOの紛争解決機構を積極的に利用し、米国と交渉。5月に鉄鋼セーフガード(緊急輸入制限)を暫定発動し、11月20日に本発動に切り替えた。

(3)エリクソン事件。南京エリクソンは3月、交通銀行、工商銀行、中国銀行などからの融資19億9000万元を繰り上げ返済し、シティバンクから同額の融資を受け直した。これは中国のWTO加盟後の内外銀行間競争が激しくなっていることを示す。

(4)民航、電信の再編。中国電信が5月に2分割、中国民航が10月に6大集団に統合再編された。

(5)外資小売りの進出。営業面積8,000平方メートル以上の大型スーパーで、外私企業が23%を占めた。2002年末までに北京でウォルマートが開店すると、メトロ、カルフールを含め「3巨頭」が北京に集合することになる。

(6)AIAの北京進出。米AIG傘下のAIAが北京に支社を設立し、独資で北京に進出した初の外資生命保険会社となった。

(7)第一汽車の合併、現代自動車の北京進出。第一汽車が6月に天津汽車を買収、8月にはトヨタと前面提携で合意した。11月には北京に韓国との合弁で現代汽車が設立された。

(8)DVDプレーヤー特許料。欧米のDVDプレーヤーメーカーが中国企業にプレーヤーの技術特許使用料の支払いを求める最後通告を出し、4月に中国メーカーが輸出用プレーヤー1台に付き4ドル支払うことで合意に達した。

(9)旅行会社の合弁。中国国際旅行総社は4月に米企業と北京に合弁会社を設立。5月にも中国企業が米国と合弁でビジネス旅行会社を設立した。11月には国家旅游局の幹部が米、日、独などの大手旅行会社が支配株を持つ合弁会社の設立を認めると発言。

(10)TCLの海外企業買収。中国の大手家電メーカーTCLは9月、820万ユーロを出資し、ドイツの家電メーカー、シュナイダーを買収した。長虹も海外市場の業績が好調で、輸出額が7倍になった。
11月にはEUによる反ダンピング措置後、中国メーカーとして初めて廈華のテレビ1600台が英国に出荷された。

以上です。次回はTCLについてご紹介いたします。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
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個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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